第150回国会 衆議院 建設委員会 第3号
2000年11月08日
○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。
まず初めに、本論に入る前に、首都東京の将来に極めて重要な影響を与えるであろう課題であります首都機能の移転について、少しだけ伺いたいと思います。
私は、結論から申し上げますと、扇国土庁長官の日本外国特派員協会での発言が何で問題になったのか、どうしていけないのか、理解しかねる者の一人であります。
長官も御存じだと思いますが、平成十二年九月十一日付で、「首都機能移転に関する扇国土庁長官の発言に対する衆議院国会等の移転に関する特別委員会委員長の声明」というものが出されております。ちょっとここで読ませていただきます。
「さる九月六日、扇千景国土庁長官は、日本外国特派員協会において講演、」「質問の趣旨は空港問題であったにも関わらず、首都機能移転問題に言及されました。その立場上、三権分立の観点から、立法府権限への越権・干渉とも受け取れる発言が行われて、報道されるところとなりました。」「国会等の移転に関する特別委員会は、何らこの
扇長官の発言に影響されることなく、国会決議の意義を尊重し、真摯に議論を進める所存であることを宣言するとともに、扇長官の発言に対し、遺憾の意を表明します。」なかなか厳しい言葉が並んでおります。
この間には、「方向づけを行う権限の与えられていない国土庁長官」とか「公・私の区別はつけがたく、」とか「国会における審議の場に委ねられた段階において、過去の経過を無視し、」とか、結構強い言葉が並べられまして、私自身、これを読んでいますと、どうしても納得ができない、どこがおかしいのかなというふうに思うのです。
といいますのは、我が国全体のことを憂える国務大臣として、またさまざまな立場から、よりよい国土の発展を願う多くの国民の代弁者である参議院議員として、あえて私見ということで扇千景国土庁長官が首都機能移転問題について言及されたことは何ら問題がないというふうに考えているのですが、国土庁長官であり国民を代表する立場にある扇千景参議院議員に、首都機能移転についての思いを率直に、私見としてお伺いできればと思います。
○扇国務大臣 今阿久津先生から、私見としてとおっしゃいましたけれども、私は私見を申し上げません。それは、首都機能移転問題の特別委員会ではお答え申し上げますけれども、きょうは委員会が違いますので、私は、きのうも
参議院では首都機能移転問題の特別委員会を開いていただきましたから、そこでは申し上げておりますので、私見は申し上げません。ただ、私が申し上げたことを阿久津先生が御理解いただいているので、大変ありがたいと思います。
私は、平成二年と今日までの日本の経済状況、あるいは国際の変化等々を考えれば、先ほども冒頭に御質問がございましたけれども、空港一つとってみても、日本の国際という看板はどういうものはつけ得るのか、国際都市という
看板をつけ得るものはどこなのか、また、東京に国際都市と看板をつけ得るだけの東京であろうか。そういう国際的な観点から、外国特派員クラブですから国際の問題の話をしたのであって、私は、日本列島の二十一世紀を考えるときに、少なくとも国際空港であり、国際都市であり、国際流通である、そういうことが果たして保ち得るのか。
そういうことを考えれば、私は、少なくとも、国会議員以前に、日本国民の一人としても、世界に冠たる東京、日本、そういうものを考えるときには、国際たり得るものに今手をつけなければ、国際たり得る資格がなくなるのではない
かと。
端的に申します。今東京だとおっしゃいましたから、東京二十三区内、今私ども車で走りますけれども、キロが三十キロというスピードが書いてあります。東京都内の平均時速は十八キロ弱でございます。この十八キロ弱の東京の
車の渋滞、あるいは踏切のボトルネック等々を含めて、これを標示どおりの三十キロに車を走らせれば、東京二十三区、一年間の経済効果は四兆九千億に及びます。それくらい我々は、東京が経済的にも国際都市たり得るかというクエスチョンマークがつかなければならないことを憂えて、二十一世紀、日本も国際国家であり得る基本的なものを私はぜひ持っていただきたい、そういう意味において私は例示を申し上げたのであって、首都機能移転をしただけで首都機能移転先が国際都市たり得るかといったら、これもクエスチョンマークでございます。
そういう意味で、二十一世紀の日本の国際的な地位は那辺にあるかということをぜひ我々は認識しようという意味でございますので、私はぜひそういうふうに御理解いただきたいと存じます。
○阿久津委員 どうもありがとうございました。やや慎重な言い回しだったかなというふうに思うのですが。
私が約十年間秘書を務めておりました石原慎太郎東京都知事は、首都機能の移転の費用対効果について検証されております。費用と効果の対比ということで費用便益を示しているのですが、それによりますと、日本全体で四兆五千億円から六兆三千三百億円という巨額な社会的費用が発生することになるとも言っています。
後ほど、機会があれば一般質問の方でまたこの問題については詳しく質問させていただきたいと思っておりますが、長官の発言で首都機能移転問題がクローズアップされて国民の知るところとなったことは、思わぬ効果であったと思います。これからも率直な御答弁を国民の代表として期待したいと思っています。
さて、そろそろ本論に入らせていただきたいと思います。
公正な入札制度にするには談合をなくさなければならない。しかしながら、各地で発注者と建設業者による、時には政治家まで絡んだ贈収賄事件が絶えず、残念ながら国民に十分信頼されているとは言えないのが現状であります。そんな折、かつて入札干渉罪等の提出にもかかわった扇千景建設大臣が中心となって、あえて閣法で、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案についてまとめられました。
本日は、本法案と談合防止との関係を中心にいろいろとお聞きしたいと思います。
そこで、まず建設大臣にお伺いします。
談合は善なのか悪なのかを含め、談合に対する実態の認識と談合防止にかける大臣の意気込みをお聞かせいただければと思います。
○扇国務大臣 談合が善か悪かという御質問でしたけれども、これは談合を、マスコミが取り上げたり皆さん方がおっしゃっているように、悪であるということは、必ず私は言えるだろうと思いますけれども、談合という言葉がいけないのであって、今の日本の公共工事等々の大規模工事はすべからく何社かが共同で工事を行っております、それは談合とは言えません。少なくとも、談合という言葉の中では、共同事業と談合という言葉の定義がもちろん違いますので、日本の大規模工事は、今大企業が四社も五社も共同で工事に当たっております。
ですから、その辺のところは私はぜひ、こういう世間に言われる、一つの入札を何社かが裏で取引をして、今言われている談合の管轄に入るものに対しては、これは完全に悪であると私は認定できると思います。ですから、私どもは、少なくともこれをなくそう、そういう意味でこの法案に着手し、しかも、今までこういうことがマスコミも含めて国会の中でもいろいろな論議がされる中で、むだ遣いだ、あるいはばらまきだ、すべて公共事業の上にそういう冠がつくということが公共事業にとって大変不幸なことである。
特に例を挙げますと、私は神戸出身でございますので、阪神・淡路大震災のとき、六千人を超える死者を出しましたときに、私が地元に入りましたらみんなが言いました、扇さん、公共工事で立派な建物を建ててくれたところへ入った人はみんな助かったと。
ですから、公共事業も、多くの災害地の皆さん方では、立派な大きな建物の中に避難したら助かったという現実を見るときに、公共事業にそういう悲しい冠がつくのを何としても取るべきである、そして、真に国民に、ありがたいな、これがあってよかったな、これをつくってくれてありがたいと言えるようなものが公共事業の本来の姿であろうと私は思いますので、ぜひ私は、この法案をつくることによって公共事業のイメージというものを少なくとも払拭できる一助になればありがたいと思っております。
○阿久津委員 私も、むだな公共事業についてはもちろん見直す必要があるのですが、公共事業すべてについてなくせと言うつもりはないし、今大臣からのお話もありましたとおり、やはり悪である、談合については厳しく断罪していく必要があるのだというふうに思います。大臣の談合防止にかける意気込みが伝わってきた気がいたします。
ここで参考人にお伺いしたいと思うのですが、本法律案の目的について確認をさせていただければと思います。
○風岡政府参考人 本法律につきましての立法の趣旨ということでございますけれども、もう改めて申し上げるまでもなく、公共事業を進めるに当たりましてはやはり国民の理解と信頼というものが不可欠であるというふうに思っております。
入札の過程におきまして、いやしくも国民の疑惑を招くようなこと、これはもう当然あってはならない、また品質の確保というような観点からは、適切な施工を確保して良質な社会資本の整備ということに努めなければならない、こういうふうに考えております。
この法律におきましては、従来は、発注者、国、地方自治体、特殊法人、それぞれいろいろな部分は運用でやっている部分が非常に多かったのですけれども、共通的にルール化すべきものはルール化していこうということで、この法律の内容になっているわけでございます。
その中で、すべての発注者につきまして入札・契約の適正化のために守るべき基本原則というものを明らかにしていこう、また、入札結果や受注者の選定過程、そういったものについての情報の開示も徹底をしていく、さらには公正な競争の促進、あるいは談合、丸投げ等の不正行為に対する防止の徹底、また、先ほど申し上げましたような、適切な施工の確保のための取り組み、こういったものを具体的な内容として定めております。
私どもとしましては、これは、基本法であります会計法、地方自治法、これは入札・契約の基本的な枠組みを決めておりますけれども、これと相まちまして、入札から事業実施の全過程についての適正化というのがこの法律によって確保できるのではないか、このように考えております。
○阿久津委員 どうもありがとうございます。
大変誠実にお答えいただいたのでちょっと言いにくいんですけれども、大臣の意気込みと比べて、この法案の
「目的」を読む限りは、談合をなくすんだという姿勢が余り感じられないんですね。
これまで何度も談合の摘発が行われてきたのは、市場における競争が十分機能していないからだと思います。発注者である国、自治体、特殊法人等は、単に予定価格を下回れば問題がないものとするなど、これまで談合防止への意欲が希薄な実態がありました。
そこで、大臣にお伺いします。
第一章第一条「目的」の中で、ただ単に不正行為と表現するのではなく、談合という文言を法案に盛り込めないでしょうか。さらに、法案の冒頭で、発注者の責務について、発注者は談合防止のための責務を有する旨を明確にする条項を置くべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 本来、今阿久津先生がおっしゃいますように、談合という言葉は俗語でございまして、これは法律用語ではないわけでございます、基本的には。ですけれども、先生がおっしゃいます御趣旨はよくわかりますけれども、この法案を、中身をぜひごらんいただいたらおわかりになりますように、談合は、先ほど申しましたように、排除すべき
ものであるという基本理念は皆さんお持ちであろうと思いますし、私もそれは先ほど申し上げたとおりでございます。
けれども、談合という言葉自体が法律になじむかどうかは、これは皆さん方がぜひきょうの論議を通じて御判断賜りたいと思いますし、あえてこの談合という言葉を入れた方がみんなにわかりやすいよ、法律用語としては不的確かもしれないけれども、入れた方がわかりやすくて、現場はもっと談合しなくなるよという御意見が多々あるのであれば、これはきょうの委員会での皆さん方の御論議に負う、また御論議の結果によって御判断賜ることだと思いますけれども、私は、今、法律を見ていただきまして、全体を通じて今御指摘のことは十分に含まれている。また、その中で、談合の起きにくいシステムづくりを進めるとともに、公正取引委員会への通知等によりその防止を図ることにする、こう
されているところでございますから、あえて談合という言葉を入れるか入れないかということに関しては、本来であれば、私はそういう俗語をなるべく法律の中には入れたくなかった。
これを読んでいただければ、業者はすべてわかることでございますから、本来は俗語であるというふうに認識していたので、あえて談合だけが悪いんじゃなくて、ばらまきも悪いし、いろいろなことがありますので、談合という言葉だけを入れるということではなくて、もっと包括的に、本法案全体を通じて御指摘の趣旨は十分に入っていると私は認識をしておりますけれども、あとは委員会での御論議にまちたいと思います。
○阿久津委員 今同僚議員からさっとメモが入りまして、刑法の「競売等妨害」という項で、第九十六条の三第二項で「公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、前項と1同様とする。」談合という言葉が刑法上でも使われております。
確かに俗語的な意味はあると思うんですけれども、ぜひ前向きな御検討をいただいて、談合という言葉をきちんと明示していただきたい、そのように改めてお願いをさせていただきたいと思います。
さて、大臣は、欧米、特にヨーロッパの入札制度についても大分研究をされていると伺っております。そこで、米国等の入札制度についてどう評価するか、談合防止という観点から何か学ぶべき点はあるか、コメントをいただければと思います。
○扇国務大臣 今お尋ねございましたけれども、私は最初に、大臣に就任しまして、何とか公共事業というものの適正な姿というものを取り戻したい、その一念でございまして、まず調べたのが、日本にないけれども外国にはこういう法案があるのかないのかを調べたのがこの法案をつくるきっかけになったのは事実でございます。
私、そのときには、米国で連邦政府の発注は法律ではなくて連邦調達規則、そういうふうになっておるところでございますし、各州の発注は各州がそれぞれ定めているというので、今私、資料を全部持っておりますけれども、これを全部読むと時間がたちますので、失礼ですから読むことはやめますけれども、少なくとも、アメリカでは、今申しましたように、各州では違いますけれども、発注は各州がそれぞれ定めているというのがまずございます。
また、フランスでは、公共契約法典が定められて、国、地方を通じて公共部門の契約に適用されております。また、これも私は、最初は国だけだったんですけれども、途中から地方も入れて、国、地方というふうに、これもフランスでは修正をしております。
また、ドイツでは、国、州そして地方公共団体に適用されます建設工事請負契約規程、それに加えまして競争制限防止法、このように公共調達の規定がドイツでは盛り込まれております。
そのように、御存じの、今のアメリカ、フランス、ドイツ、そしてまた加えてイタリア、これも調べましたけれども、イタリアの場合は公共工事基本法、法案そのものが基本法になっておりまして、これも公共工事の契約のみを対象に、国も地方もこれを通じて公共工事の入札・契約の一般原則あるいは手続等を定めております。
このように、今御質問ございましたように、私はこの法案をつくりますときに最初に調べたのが、各国ともこれらがある。にもかかわらず、我が国では一度もこれを検討されたことがない。一時ちょっとそういう動きがあったやに伺っておりますけれども、現実にはなかったわけでございますので。
私は、各国ともそれぞれの状況に応じて談合等の不正防止、また不正行為等も含めて、入札・契約の適正に関する法律に至って努力しているというのが各国の姿勢でございますので、少なくとも我が国におきましてもこういうものをつくって、そして今までの公共事業に、悪い冠をつけなければ公共事業と言われないということを少しでも払拭し、真に国民のために、あるいは国民に帰する公共事業にしたいというのが基本的な姿勢でございました。
○阿久津委員 私は、もちろん何でもかんでもアメリカの制度がよいと言うつもりはないんですけれども、私には持論がありまして、いわゆるグローバルスタンダードというのは、実際にはアメリカンスタンダードなんですね。よくも悪くもの話です。
それで、アメリカの入札制度をよく研究して、アメリカ人が納得するように、アメリカが望むような入札制度をある程度先回りしてこちらが改革をしていかないと、私は我が国も大変な目に遭うと思うんです。アメリカの経済がいつまでもいいとは思っておりません。いずれアメリカの経済が悪くなったときに、日本に対する圧力がどれほど激しくなってくるか、それを考えてきたときには、この入札制度改革、談合の防止というところにはよほど力を入れていかないとならないというふうに私は思っています。
日米の入札制度を比べる限り、決定的に違うのは、公金のむだ遣いになる談合を絶対に許さないという強い姿勢です。
私が大臣にあえて談合は善なのか悪なのかを問いただしたのは、わけがあります。それは、日本の国や自治体が、談合をなくそうとしないばかりか、推奨している疑いが強いからです。先日、公正取引委員会が官製談合について厳しい姿勢で臨む旨を明らかにしたのは、いまだ談合を善とする官が存在することの裏返しの証明と言えます。今必要なのは、我が国も何としても談合をなくすんだという強い姿勢を内外に示すことです。また、もう一つ、できる改革、可能な改革は、ああだこうだといって面倒くさがらずにとにかく一度トライしてみることだと思います。
そこで、入札予定価格の事前、事後公表について大臣にお伺いしたいと思います。
入札予定価格の事後公表については、メリット、デメリットはあるものの、談合を暴く効果も期待され、国から地方へ広がりつつあります。ところが、入札予定価格の事前公表については、建設省は余りやりたくないみたいで、ブリーフィングを頼んでも余りよい資料が来ないし、会計法の予決令がどうのこうのと言って余り検討してくれそうにはないのですが、大臣にお伺いします。入札予定価格の事前公表について、まず国から実現していただくお気持ちはありますでしょうか。
○扇国務大臣 私、今の阿久津先生のお話の中でアメリカのことをおっしゃいましたので、本来のものをお答えする前に一言申し上げたいと思いますけれども、アメリカのことで今先生がおっしゃいましたように、アメリカでは談合というものがほとんどありません、なくなりました。
それは、少なくとも談合すると処罰されて損をするという、御存じのとおり、談合すると刑事でも民事でも行政処分でも極めて厳しいわけでございます。ですから、談合したら絶対に損なんだということが徹底しているわけですね。ですから、刑事処分におきましても、会社は一千万ドル以下の罰金を科せられるとか、そういう談合に対する厳しい処分がアメリカはあるということで、談合の数が本当になくなったという事例もございます。
私は冒頭に、法案であるいは法律で完璧なものはないと申しましたけれども、まず私は今回、この法案を皆さん方に御理解をいただき、そしてこれを施行して、どこまで談合がなくなって、また処罰規定はどうなのかということも、何年かたてばまたこれは新しい手をつけるところがあるだろうということは、それは今から、私、これが通れば談合が一〇〇%なくなるなんて胸を張って言うつもりはございませんけれども、少なくとも今よりはいい建設業界なり公共事業になるんではないかということをぜひ御理解賜りたいというのが一点でございます。
それから、今おっしゃいましたように、予定価格を事前にすることがどうなんだというお話ございましたけれども、
私は、メリット、デメリット両方あろうと思います。それはもう先生も御存じのとおりで、今までどおり、予定価格の取り扱いにつきましては、国においては会計法令によってというのは今先生もちらっとおっしゃいましたけれども、会計法では事前公表が禁じられております。けれども、少なくともこのために、今、事後公表としているわけですね。
ですけれども、事前にということになりますと、少なくとも地方公共団体におきましても、地方自治法でも、これは発注者の裁量にゆだねられているというのが今の地方自治法でございます。ですから、一部の地方公共団体におきましては、入札の事前公表を行っているところも既にあります。それは先生も御存じであろうと思いますけれども。
少なくとも私は、今おっしゃいました予定価格の事前公表というものに関しては、予定価格が事前に明らかになることによって、余計予定価格を探ろうとする、そういうことの不正な動きを防止するという効果だけは一方あるわけでございますけれども、少なくとも、建設業界の見積もりをするという努力を損なわす、業界が見積もりの努力をしなくても金額はわかってしまう、そういうこともデメリットとしてあるわけでございます。あるいは、談合が一層容易に行われる。金額がわかれば、あれによっておれのところはこうだ、こうだという今までの談合のシステムが、むしろ談合が早まるのではないか、そういう危険も一方にはあるということも、これはデメリットの一つとして私はあろうかと思います。これはもう想像にすぎませんけれども。
ですから、少なくとも談合が一層あるいは早目に行われるということがないようにする、そういうことによって事前公表を義務づけることは、少なくとも私は、やっちゃいけませんよと言って公表するということはあり得ない、できないというふうに考えております。
地方公共団体におきます今の予定価格を公表しているというような取り扱いにつきましても、これはまだ試行的な段階でございますから、予定価格の事前または事後公表を本法案によって一律に義務づける、これは、私は少なくとも、困難なことではありますけれども、全部一律に義務づけること自体が困難であるということはわかっておりますけれど
も、適正化の指針において、他の予定価格を推定される、そういうことに対しては支障がないと確認できる場合には、少なくとも私は、事後あるいは事前等々に予定価格も公表できるようにするということは、それは務めであろうと思いますし、先ほど申しました地方公共団体についても、事前公表を行える旨これは定めるということをこの中にうたってございますので、地方自治団体にも御努力いただこうと思っております。
○阿久津委員 どうも誠意ある御回答、本当にありがとうございました。
本法案の目的とする公共工事に対する国民の信頼の確保と建設業の健全な発達を実現するためには、公共工事に対する国民の不信を生み出し、また建設業の健全な発達を妨げている談合にメスを入れなければなりません。その意味で、本日の質問を通じて、大臣の談合防止に対する意気込みを伺うことができたのは大きな収穫でした。
本法案をあえて内閣法として作成し、みずからイニシアチブをとって入札制度改革を推進しようとする大臣の勇気には敬意を表します。しかし、本法案の文言を読む限りでは、発注者が責任を持って談合を取り締まろうとする強い姿勢がまだまだこちらには伝わってきません。それは、発注者の談合防止責務や競争環境整備といった、入札制度改革に含めるべき基本的内容が明記されていないからであります。
また、本来、入札制度の適正化は、中央官庁たる建設省が地方自治体を監視、監督するという側面のみにとどまるものではありません。建設省をも改革の対象として、納税者たる国民の監視下に置くという趣旨で行わなければなりません。その際、入札制度の改革には、指名競争入札の見直しや予定価格制度の是非、総合評価制度の導入な
ど、議論すべき論点が多々あります。しかし、本法案は、そうした制度改革の本格的な取り組みを議論するには、まだこのままではほど遠い内容であると言わざるを得ません。
本来、このような趣旨の法案は、民と官の間にあって民の立場を代弁する政治家が議員立法を通じて取り組むべき課題であります。与野党が議員立法を出し合い、議論を闘わせることによって、国民の批判の目にたえ得る、より完全な法律へと進化させていくべきであり、私も今後この課題に取り組んでいく決意であります。
以上をもちまして質問を終了させていただきます。どうもありがとうございました。