第151回国会 衆議院 予算委員会第六分科会 第1号 2001年03月01日

○阿久津分科員 本日は大臣に貴重なお時間をちょうだいいたしまして、本当にありがとうございます。私は、民主党の阿久津幸彦でございます。

 二十一世紀を迎え、今私たちは大きな歴史的転換の時期にあるというふうに考えられます。二十世紀は戦争と経済成長による環境破壊の世紀でした。公害や環境汚染、自然破壊、また歴史的文化遺産や町並みの破壊は、取り返しのつかない損失をもたらし、私たちの価値観を根本から覆しました。

 このことにいち早く気づいた欧米諸国では、現在、公共事業あるいは公共政策の概念そのものが変わりつつあります。都市の伝統のあるヨーロッパ諸国では、自然と町並みを生かした地域再生が公共政策の中心になっています。またアメリカでも、ダムを壊し、一度真っすぐにした川を再び蛇行させるなど、自然復元の事業が始まっています。まさに今、私たちは環境破壊の世紀から環境再生の世紀への転換の中にいるのです。

 私は、現在国土交通委員会に所属をしております。以上のような問題意識から、すなわち、私たちの価値観の変化に基づき日本における公共事業も全面的な再検討が必要であると常々考えております。

 今回、この予算委員会分科会で質問の機会を与えられました。そこで、川口順子環境大臣に、これからの環境行政と公共事業の関係について質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めの質問なんですが、我が国では、今回の省庁再編に伴い環境庁が環境省として新たに出発することになりました。環境省が環境再生の世紀にふさわしい役割をこれから果たしていくことに、国民は大きな期待を寄せております。環境というものは、本来総合的な性格を持っています。これまでも環境庁は省庁間の総合調整や他省庁への勧告権といった権限を持っていました。しかし、これからは省として、ほかの省庁と少なくとも同格の立場になったわけですから、縦割り行政の弊害を克服するさらに大きな役割が期待されます。

 そこで、まず初めに、総合的な環境行政を展開していく上での大臣の決意を伺いたいと思います。

○川口国務大臣 環境問題というのは、国民生活のあり方あるいは社会の仕組みにかかわる大きな問題でございまして、身近な公害問題ですとか廃棄物の問題から、地球環境、地球レベルの問題まで、さまざまな広がりを持っている問題だと思っております。

 そういった大きな広がりを持つ問題への取り組みというのはまさに総合的に行われなければいけないと思っておりまして、政府の機構が一月六日に変わった中で、多くの省庁が合併ということになった中で環境庁が環境省に格上げをしていただいたというのは、まさに国民の方々の、そういった環境問題が二十一世紀に重要であるということの認識があらわれているというふうに思っておりまして、皆様の期待に沿うように、職員一同とともに全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。

○阿久津分科員 そこで、お伺いをしたいのですが、環境庁から環境省になったということで、権限ももちろんそうですし、役割もそうですし、何よりも国民からの期待が大きくなったわけでございます。そこで問題になってくるのが、公共事業とのかかわりの問題だと思うのです。

 近年、環境保全の視点から公共事業のあり方が問題となっております。公共事業を行うに当たり、環境省が果たすべき役割とは何か、お答えいただければと思います。

○川口国務大臣 環境基本法十九条では、国が環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定、実施するに当たっては環境保全に配慮しなければならないというふうにされておりまして、公共事業の実施と環境保全上の配慮ということで申しますと、基本的には事業所管官庁が適切な環境保全上の配慮を行っていくということだと考えております。

 それで、環境省といたしましては、このような事業を行われる者による環境保全上の配慮が適切になされますように、関係の省庁に対しましては、各種の公共事業の整備計画案の協議の機会等に保全上の配慮をすることを要請いたしてきております。

 それから、規模が大きくて環境影響が非常に大きいもの、そういうことになるおそれのある各種の開発事業につきましては、環境影響評価法等に基づいて審査を行いまして、事業に係る環境の保全については適正な配慮がなされるように意見を申し上げたりということでやっております。

 今後とも、環境保全は二十一世紀にかけて非常に重要な課題であるということを認識しまして、全力で取り組んでいきたいと思っております。

○阿久津分科員 今、環境影響評価法についてお話があって、これは平成九年六月に制定されて、十一年六月から実施されているのだと思うのですけれども、これ以前にもう既に行われている公共事業については、この法律は、うまく適用するみたいなことはできるのでしょうか。

○川口国務大臣 法律の前には、閣議によってアセスという制度がございまして、そういうことによってやっているということでございます。さかのぼらないということです。

○阿久津分科員 確かに、閣議によってやっていたのは私も存じ上げているのですけれども、環境影響評価法によって、今までの閣議によるだけのチェックとは大分違ってきたというふうに思っているのです。例えば、今までは調査の結果にしか意見を言えなかったけれども、方法についても意見が言えるようになったり、それから技術内容の部分でいえば、生態系などの部分についても評価できるようになったわけなんです。

 そうすると、もう一回再申請、例えば今行われている公共事業について、法律がないときはできなかった、閣議だけで決められて、それでは不十分で適用ができなかった部分について、環境アセスを再要求する、そういうことはできるのでしょうか。

○川口国務大臣 事業認可が行われているものについては、もう始まっているということでございますので、再申請をするということはできないと思います。

○阿久津分科員 そうすると、既に始まっている公共事業について、これから環境の部分で何ができるのか。これからちょっと細かく伺っていきたいと思うのですけれども、公共事業で問題があるというとまず頭に浮かぶのが、諫早湾の問題だと思います。

 有明海のノリ養殖被害は諫早湾の干拓が原因というふうに言われておりますけれども、大臣はこの問題に関してどのようにお考えでしょうか。

○川口国務大臣 有明海のノリの不作の問題については、原因につきましては今さまざまな考え方が、あるいは意見があると承知をいたしております。諫早湾の干拓の問題というふうにおっしゃられる方もありますし、そうではなくて別なことであるとおっしゃっている方もいると認識をいたしております。

 いずれにいたしましても、今度のノリの不作問題につきましては、これは過去最大の非常に大きな問題でございますから、谷津農水大臣もおっしゃっていらっしゃいますように、徹底的にその原因の究明をまずするべきであるというふうに思います。予断を持たずに調査をするということが大事だと考えております。

 環境省といたしましては、現在有明海全体の水質モニタリング等を行っておりますが、それに加えて、今年度、底質や底生生物等の項目についても緊急に補足調査を始めたところでございます。

 それで、平成十三年度からは、水産庁によるノリ不作の原因究明を目的とした調査が実施されるとともに、環境省も含めまして、有明海の海域環境についての調査、これは総合的な調査が実施されるということになっておりますので、有明海の環境の保全、それから有明海の環境の改善という観点から適切に対処をしていきたいと思っております。

○阿久津分科員 そうしますと、ちょっと確認なんですけれども、農林水産省と環境省、合同ではないのかもしれないんですけれども、それぞれ徹底的に究明していく、調査していくというふうに御理解してよろしいんでしょうか。

○川口国務大臣 政府の関係各省が連携をいたしまして、徹底的に、予断を持たないで原因の究明を行っていくということでございます。

○阿久津分科員 それで、その結果によって、その結果次第では水門をあけるという勧告を出す可能性はあるんでしょうか。

○川口国務大臣 これは、谷津農水大臣と私、全く同じ意見でございます。第三者委員会というのがございまして、実はこの委員会の中のメンバーには環境省から推薦を申し上げた方も入っていらっしゃいますけれども、その委員会において、水門をあけてさらに調査をする必要があるということでございましたら、それはそういうことをする必要があると考えております。

○阿久津分科員 どうもありがとうございます。

 それで、今のは、結果次第によっては水門をあけて調査をするわけですけれども、その上で、もう水門をあけてしまえという勧告を出す可能性もあるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

○川口国務大臣 まず調査の結果を見たいというふうに思います。

○阿久津分科員 ありがとうございます。

 それでは、次の質問の方に移らせていただきたいと思います。

 私の地元は八王子なんですけれども、八王子には圏央道が走っておりまして、その圏央道の建設が国家プロジェクトとして進められております。多摩地域において、圏央道は南北の新たな幹線道路、いわゆるベルトウエーとして、周辺道路の渋滞緩和や利便性の向上が期待されているわけなんですけれども、一方、この圏央道建設の一環として、東京都唯一の国定公園であります高尾山に二本のトンネルを掘る計画がございます。そのため、高尾山の自然を愛する市民の皆さんからは、長年にわたって圏央道建設反対の運動が続けられてきまして、現在、工事の差しとめを求める自然の権利訴訟も行われております。

 道路建設により便利になることと、東京に残された貴重な自然を守ること、この二つをどう折り合いをつければよいのか、難しい問題がそこにあるというふうに私は思っているんですけれども、そこで、圏央道建設と高尾山の自然環境保全についてお伺いをしたいと思います。

 まず初めに、ちょっと唐突なんですけれども、大臣は高尾山に登ったことがありますでしょうか。

○川口国務大臣 多分二回ぐらい登っていると思います。

○阿久津分科員 大臣が登ったことがあるということで、高尾山のよさについてはよくおわかりだと思うんですが、高尾山は国定公園ということで東京都から指定されておりまして、自然環境や貴重な動植物、景観、レクリエーション、アメニティーなど、多様な価値を有する都民の財産であります。

 大臣は、この高尾山の価値をどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

○川口国務大臣 高尾山は、多分この地域、東京やその近辺で小学校時代を過ごしたことのある人間でしたら必ず登ると言っていい、非常に親しまれている山だと思います。それから、登るルートも幾つかあって、体力に合わせて選べるというようなこともありまして、そういう意味でも非常に親しみやすい山でございますし、それから、高尾山一帯がアカマツですとかイヌブナ等の天然林で覆われていて、多様な植物や昆虫が生息をしているという意味でも、いい、重要な山だというふうに思っております。

○阿久津分科員 今大臣御指摘のとおり、高尾山は、わずか七百七十ヘクタールの区域に、自然林のブナを初めとする千三百種の植物、五千種の昆虫、百五十種の野鳥が生息しておりまして、ブナとかカシの樹木がすみ分けているという、世界でもまれな生態系を有している大変貴重な自然だと考えております。

 それで、東京都民にとって、もちろん八王子市民にとってもそうなんですけれども、特別な意味のある憩いの場ということで、今圏央道の部分で問題となっているのは、高尾山にトンネルを掘って果たして高尾山の自然が守られるのかどうか、そこが大きな問題になっているんです。

 そこで、高尾山と自然環境保護の部分について少し伺いたいと思うんですけれども、かつて、中央道ができたことにより、高尾山の自然や種の多様性に影響があったと言われております。例えば、これは正式なデータではないのかもしれないんですけれども、日本野鳥の会が毎週東京支部で調査を行っているんですけれども、この調査によれば、中央道ができたことによって、鳥の種類が先ほど申し上げた百五十種類から百種類ぐらいに減ったというデータもあるんですね。

 そこでちょっとお尋ねをしたいんですが、環境省として何か定量的なデータを持っていらっしゃいますでしょうか。

○西尾政府参考人 御説明します。

 自然の現況につきまして、環境庁、環境省でどういうふうに把握してデータを持っているかというお尋ねでございます。

 環境庁発足後の昭和四十八年度から、おおむね五年ごとに、我が国の自然環境の基礎的資料の収集ということを目的といたしまして、自然環境保全基礎調査、これはいわゆる緑の国勢調査ということで親しまれております。これは私ども非常に基本的な調査として実施しておりますが、この中で、高尾山周辺につきましても、その植生でございますとか、それから動物の分布でございますとか、あるいは、五年ごとにやっておりますので、その間の植生などの変化状況、変化率といったようなものがどういうことかということの把握はいたしてきておるわけでございます。

 しかしながら、先生御指摘の、中央道のこの箇所が開通をいたしましたのは昭和四十三年のことでございまして、これは私どもの庁が発足して調査を始める前でございますので、これをその開通前にさかのぼって、そのときの自然はどうだったかというようなことにつきまして把握、比較するというような資料は、残念ながら持ち合わせておりません。

○阿久津分科員 この基礎調査なんですけれども、これは定点調査みたいな形をとっていらっしゃるんですか。だとしたら、東京でどのぐらい調査点があるんでしょうか。大体で結構です。

○西尾政府参考人 この基礎調査につきましては、いろいろな内容のものがございまして、幾つかの自然の対象について分かれておりまして、代表的なものは植生調査、今先生が御指摘になりましたように、あのところは、一方では広葉樹があって片方では落葉樹があって、そういうものが一緒になっているというふうなことでございますが、そういうものにつきましては、各五年間のクールごとに全国の植生図を全部つくっております。したがいまして、それらは、重ね合わせて変化を見ることができるような調査を実施いたしておるところでございます。

○阿久津分科員 そうすると、定点数というのはわからないんですか。大体で結構なんですが、もしデータがございましたら。

○西尾政府参考人 点数という表現の仕方がちょっと、うまくお答えできないので申しわけございませんが、植生につきましては全国の地図の上に落ちておりますので、全国の地図の中に、どういう種類の植生があるかというのはわかるようになっております。点というよりは、もうそれは図形で表示ができております。

 それから、動物などにつきましては、例えば、こういうところでございますと、タヌキでありますとか、そういった小動物がおります。そういうようなものは、どこにいるかということをそれぞれのときに調べて、プロットしておるというようなことでございます。

 したがいまして、そういう調査は、どこかの定点で見張っていてというよりは、メッシュに切って一定の方法で歩いてみて目視で確認をするとか、そういう専門的な方法でやっております。

 調査の大体のイメージはそういうことでございますので、点数でストレートに単純化してお答えできないことを御容赦ください。

○阿久津分科員 これは、環境省さん、今一生懸命その調査をやられていると思うのです、そういうデータを集めていると思うのですけれども、もうやられているかもしれないのですが、NPOを使っていろいろなデータを集めたらいいのじゃないかというふうに私は思っております。民間とか、いろいろな専門家もいらっしゃいますので、ぜひそういう知恵を使っていただきたいな、そしてよりよい環境をウオッチングするネットワークをつくっていただきたいというふうに思っております。

 次の質問に移らせていただきます。

 大気汚染や騒音などの環境基準は、東京の都心部でも高尾山でも同一であるというふうに聞いたことがあるのです。このことは日本における環境行政の立ちおくれをあらわしているというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

○松本政府参考人 大気汚染あるいは騒音による環境基準の件でございますけれども、まず、環境基準は、環境基本法の第十六条第一項の規定に基づきまして設定をするということになっているわけですが、大気汚染の環境基準と騒音の環境基準は若干視点が違います。

 まず、大気汚染の環境基準は、人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準ということで定められているわけでございます。したがいまして、この環境基準は、その目的に照らしましても、人が生活し得るすべての場所にむしろ一律に適用されるべきものでございます。地域によって人の健康影響に差があるというのはむしろおかしいということになるわけでございまして、全国一律の基準で大気汚染の環境基準は設定されているということでございます。

 一方、騒音に係る環境基準につきましては、生活環境を保全し、また人の健康の保護に資する上、直接的な健康保護そのものではなくて資する上で維持されることが望ましい基準ということで設定されているわけでございまして、この騒音に係る基準は、地域の居住状況などを考慮いたしまして、地域の類型ごとに基準値を設定する、こういう形になっております。そして、都道府県知事が各類型を当てはめる地域を指定する、こういう仕組みになっているわけでございます。各地域の状況に応じて人の生活環境を保全するという観点からはこういう仕組みが適当なのではないかと考えられるわけでございます。

○阿久津分科員 おっしゃることはよくわかるのですけれども、いずれも、人というか人の健康というものが、精神的な部分も含めて基準になっているのだと思うのです。それはそれで結構なんですけれども、もう一歩踏み込んでいただきまして、動植物や自然環境そのものに与える影響を考慮した、より厳しい環境基準の体系を検討すべきではないかというふうに私は考えております。これは感想程度なんですけれども、今後、より厳しい環境基準を、いろいろなバランスを考えながらぜひつくっていっていただきたいというふうに考えております。

 それで、そろそろ時間が迫ってきましたので、圏央道の建設の問題について、直接の問題についてお話を伺いたいと思うのです。

 先ほども申しましたが、高尾山のトンネル工事により、大気汚染や地下水系の破壊による生態系の変化が懸念されております。現在、高尾山の隣にある八王子城跡のトンネル工事が進められていますが、この工事が行われるようになってから、八王子城跡にある古井戸の水がれが起きるようになったと聞いております。同じように、高尾山にトンネルを掘ることによって地下水位が下がり、植物に悪影響を与えるおそれがあるわけでございます。

 もちろん、工事に当たっては、国は事前に調査を行い、作業も環境に十分配慮して行っていると信じますが、しかし、自然は我々が考える以上に複雑なメカニズムを持っていますし、大変ナイーブなものだと思っております。

 かつて、私は石原慎太郎代議士の秘書をしておりました。そのとき、長良川河口堰の問題で当時の建設省からいわゆるレクがございまして、私は秘書としてそのレクを聞いたのです。もう十年以上前の話ですけれども、そのとき建設省のレクを聞いている限りでは、こんなに環境に配慮した優しい河口堰はない、お金もすごく使っている、絶対に動植物に被害は与えないんだ、魚も十分に上っていくことができる、そういう説明を受けたものですから、私は、そのような内容だから大丈夫だろうというふうに考えて、そのような報告を当時の私のボスでありました石原慎太郎代議士に上げたのです。

 私は、十年以上経て、衆議院議員に当選をさせていただいて、長良川河口堰を見に行ったのですね。実際に話を聞いてみると、やはり全然違うのです。実際に話を聞いてみると、あるいは見てみると、当時建設省が言っていた話とは全く異なって、私が見た限りでは、もうアユはこのくらい、十センチ未満にしか育っていなかったし、河口堰ができたことによってよどみができてしまって、やはり生態系を破壊してしまったのだと思うのですけれども、大きなサクラマスがもうとれなくなってしまった。当時の環境アセスとか配慮の中で、よどみについての配慮みたいなものはなかったと思うのですね。これは、私にとっては、実体験としてある意味ですごく恐ろしい部分の、環境に対してはよほど配慮しなくちゃいけないんだなという一つの経験になっているのです。

 先ほど申し上げました諫早湾の問題についても、山下さん、もう亡くなられた、反対をずっとされていた方ですけれども、山下さんはもう口が酸っぱくなるくらい、干拓が進んでしまえば干潟が失われて、海水を浄化する微生物が死んでしまう、大きな環境変化が起こる、これは大変恐ろしいことで何が起こるかわからないよと、再三農林水産省に忠告をしていたそうです。そして、大丈夫だといってやってみたら、ノリが壊滅的な被害を受けることになった。これはまだ一つの問題だと思うのですね。

 こういう経験を踏まえて、高尾山のトンネル工事についても、環境破壊の懸念を取り除くために国は万全の策を講じるべきだと思うのです。環境省としてとるべき具体的対策の内容、及び大臣としてそれに取り組む決意を伺いたいと思います。

○川口国務大臣 環境保全と人間が生きていくために必要なさまざまな活動をどういうふうにバランスをとるかというのは、本当に一般論としても非常に難しい問題だというふうに思っております。

 それで、お話の圏央道建設ですけれども、これは平成元年にアセスメントの手続が終了いたしておりまして、したがいまして、アセス法以前の時代の話でございまして、事業主体である、これは国土交通省でございますけれども、ここが環境に配慮をしながら適切に工事を進めていただけるというふうに思っております。

 それから、高尾山のトンネルを含む国定公園の中、これは国定公園ですけれども、中での工事の実施に当たりましては、国土交通省から東京都に対して自然公園法に基づく協議が行われるということになっておりまして、東京都において自然公園法の趣旨に即して適切に判断をなさるというふうに認識をいたしております。

 それで、環境省は一体どうするのかという御質問でございますけれども、環境省は、自然環境を保全する、その保全を推進するという立場から、注意深く見守って、東京都から相談があれば積極的に協力をしていきたいというふうに考えております。

○阿久津分科員 最後に一言だけ申し上げます。

 大臣、見守っているだけでは変わらないと思うのですね。今、庁から省になって国民が望んでいるのは、大臣が大臣に就任したときにおっしゃった、嫌なものは嫌と言える環境省を目指すという、その意気込みだと思うのですよ。それをぜひ発揮していただきたい。事業主だけに任せていたのでは、いつまでたっても環境はよくならないのです。環境省は非常に可能性のある省だと考えております。昨日も、いわゆる質問取りで、若い環境省の職員の方々が私のところに見えてくれました。話してみますと、非常に目が輝いていて、ある種期待を持ちながら、ただ不安というか、どこまでやっていいのかな、他省庁のところまで入っていっていいのかな、そういう遠慮がやはりまだあるのですね。

 私は、いいところ、悪いところがあると思うのですけれども、石原慎太郎都知事にしても田中知事にしても、ある種乱暴な部分というのが時代を先取りして変えていくには必要なんだと思うのです。三番瀬のときに、大臣がちょっと自分の意見をぴしっと言ってくださっただけで、あれだけ反響があった。ファクスも私はたくさん読ませていただきました。

○北村主査 持ち時間が終了しておりますので、質疑はおとめいただきたいと思います。

○阿久津分科員 そういう勇気を持って、せっかく民間から登用された大臣ですから、頑張っていただいて、環境行政をリードしていただきたいと思います。

 どうも失礼いたしました。