第151回国会 衆議院 国土交通委員会 第3号
2001年03月09日
○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。私の方からは、踏切道改良促進法改正案について本日は質問させていただきたいと思います。
本来、踏切行政は地方がイニシアチブをとって行うべきであると私は考えております。しかし、この法案には地方分権の観点が欠けており、その点が最大の問題点であると考えております。一方、地方分権が進むまでの間にボトルネック踏切など緊急性のある改良事業に取り組むための法律にするのであれば、その目的、すなわちボトルネック踏切の半減等を明記すべきであると考えております。その意味で、本法案は、即十分なものであるとは言い切れない面があります。
そこで、まず初めに、地方分権の観点から見た踏切行政のあり方について伺いたいと思います。
本来、踏切行政は地方がみずからのイニシアチブで行うべきものであると考えますが、見解を伺いたいと思います。
○泉副大臣 市民生活、地方に住む方々の生活に大変大きなかかわり合いを持つ踏切の問題でございますので、先生のお考えも確かに重要なことだと思います。そうしたことを受けとめまして、今回の法改正の中でも地方からの申し出制度を設けたのもその一端でございます。
従来から、交通安全基本計画や踏切事故防止総合対策などにおいては、都道府県別の踏切道改善促進協議会を設置しまして、自治体が中心となって総合的な踏切対策を推進してきたことは御承知のとおりでございまして、国としましても、緊急性の高い踏切道の改良については、踏切道改良促進法に基づく踏切を指定しまして、地方と一体となって進めてきたわけでございます。
ですから、地方の問題というとらえ方と同時に、国としてやっていかなければならない役割もございますので、そうした観点から、今回の法律改正をお諮りいたしておるところでございます。
○阿久津委員 私は、今の御答弁からは、地方分権が本来は理想の姿なんだというふうには感じ取れなかったんですけれども、泉副大臣、アメリカではどこでも、踏切行政というものは国がやるんじゃなくて地方、州に任せて、あるいはもっと下の地域に任せてやっているわけですね。アメリカでできているものがなぜ日本できちんとした地方分権という形で踏切行政ができないんでしょうか。
○泉副大臣 最も大きな問題は、事業費が大変大きくかかるということに起因すると私は思っております。地方だけで処理できる、あるいは鉄道事業者、道路管理者だけで処理できる問題であれば、先生の御指摘もあるいは一つの考え方だと思います。
しかし、ボトルネックと言われる踏切が一千カ所あって、膨大な事業費を必要とする中で、どこからやっていくかというようなことを考えましたときに、国としての関与は当然あってしかるべきではないでしょうか。国土交通省はそうした考え方に基づいてこの法案を提案させていただいているところでございます。
○阿久津委員 よく地方分権のあり方の例で出される話があるんですけれども、十年ちょっと前まで、地域のバス停を百メートル動かすのに一々運輸省の許可が必要だったということ、これは特に前の細川総理大臣が引用されていたんですけれども、今はもちろんそういうことは行われていないと思うんです。このことについて何か御感想はございますか。
○泉副大臣 今先生御指摘のように、停留所を移すについてもある種の手続が必要であった時代が確かにございました。これはある意味では、利用される市民の方々の立場に立った考え方でもあったと私は思います。知らない間にバスストップが別な場所に移っておる、あるいは路線が変更されておるというようなことが起こることは利用される市民の方々に御不便を与えるということで、そうしたルールを決められた時期がございました。
しかし、その後、国の関与の度合いが、そこまでやる必要はないのではないか、またバスの事業管理者等も、利用される市民の方々の立場を十分に理解する、必要な情報を流すというようなことができるようになって、時代の変化とともに国のかかわり合いが後退したと申しますか薄くなったと申しましょうか、そうした制度改正が行われたものであると理解をいたしております。
○阿久津委員 泉副大臣、国の関与が後退したなんて言わないでくださいね。流れは地方分権ですから。
それで、今のお話をつなぎ合わせると、地方分権が進むまでの間に踏切事故の防止とか交通の円滑化のための緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施という観点でこの法案を行うのであれば、それはそれで意味があると私は思っております。
そういうことで、次の質問に移らせていただきたいと思います。
国土交通大臣が改良すべき踏切とその改良方法をあえて指定することの意味ないし必要性とは何でしょうか。
○泉副大臣 先ほどの御答弁の中で、後退という言葉が必ずしも適切でなかったかと思います。意義を述べましたのも、どういう表現をさせていただこうかとちょっと逡巡した結果でございますが、そうした時代の要請の中で、国と地方、あるいは事業者との関係が変化をしていった、そういうふうに私の真意を御理解いただきたいと思います。
今お尋ねがございました、国土交通大臣が指定する意義ということについてでございますが、交通事故の防止あるいは交通の円滑化の観点から特に緊急的に改良を必要とするものについては、先ほど申し上げましたように、限られた予算の中でどうやっていくか、全国統一的な基準によって国が公平にかつ中立的な立場で優先順位をつけて国民の皆様方におこたえする必要がある、そうした観点から、この法律の中に指定という考え方を導入させていただいたわけであります。
先ほどもお答えをいたしましたように、連続立体交差事業を初めとする踏切道の改良は莫大な資金を必要といたします。鉄道事業者と道路管理者との間の協議が難航するというようなことも想定をされておるわけでございますので、国の立場、リーダーシップによってこうしたトラブルを解消していくという役割を果たすべき立場にあると考えておるわけでございます。
○阿久津委員 結局、補助金の問題なのかなというふうに思うんですね、国がどうしてもやらなければならないというのは。地方分権がきちんと進んだ上で地方に財源が移譲されてあれば、本来、やはり踏切行政というのは地方に任せるべき問題だと私は思っております。知事が指定するので何でいけないのか。知事とか市町村長の方がよっぽど、どこの踏切が危険とかどこが渋滞になりやすいとかわかっていると思うんですね。これは、国がずっと中央で今までの権限を抱えているところに、今の日本の発展が行き詰まってしまった原因の一つが少なくともあると思うのです。地方分権推進ということは、ぜひ肝に銘じていただきたいというふうに思っております。
これまで指定箇所、改良方法をどのようにして決定してきたのか伺いたいと思います。先ほどちょっと触れられてもいらっしゃるんですが、この決定の仕方の部分で、優先順位の付与等において客観性は本当に保証されているんでしょうか。
○大石政府参考人 改良の必要な踏切道につきましてこの法律に基づきまして指定を行う場合には、踏切道におきます交通量、踏切事故の発生状況その他の事情を考慮いたしまして、省令で定める客観的な基準に照らしながら、国土交通大臣が交通流動や周辺市街地への影響等を見きわめた上で、立体交差化または構造改良等の改良方法を定めて指定を行っているところでございます。
例えば立体交差化の場合ですと、交通遮断量が一万台時・パー・デー以上あるかどうか、当該道路が一般国道であるかどうか、道路や鉄道の工事に関連した立体交差化が必要であるかどうかといったようなことが判断の基準要素でございます。
また、構造改良で申しますと、交通遮断量が二千台時・パー・デー以上であって、かつ連続しております道路と幅員差が一メーター以上あるかどうか、交差角度が非常に悪くて渡りにくい踏切になっているかどうか、あるいは縦断勾配がきついかどうかといったようなことにつきまして、それぞれ基準値を設けまして判断をしておるところでございます。
また、指定に当たりましては、交通事故の防止及び交通の円滑化の観点から総合的な整備効果を検証いたしまして、早急に改良の必要な踏切道につきまして適切に順位づけをしているところでございます。最近では、先生御承知のとおり、新規採択箇所につきましては、すべてベネフィット・パー・コスト、BバイCの数値を計算いたしまして、公表もいたしておるところでございます。
なお、指定いたしました踏切道につきましては、告示をし公表いたしておるところでございます。
○阿久津委員 例えば死亡事故などが起こったりする踏切があると思うんですけれども、事故防止とか安全対策の基準というのは具体的に定まっているんでしょうか。
○安富政府参考人 具体的な保安設備の指定基準の中で、例えば踏切遮断機あるいは踏切警報機の設置ということについて、例えば三年間で三回以上または一年間で二回以上の事故が発生し、踏切遮断機によって事故の防止に効果があると認められるものといったような形で、事故の発生の度合いに応じても基準を設けているものがございます。
○阿久津委員 死亡事故等を防止するための基準で、アメリカでは、アクシデント・プレディクション・フォーミュラというのを採用しているんですけれども、このアクシデント・プレディクション・フォーミュラというのは御存じでしょうか。
○安富政府参考人 申しわけございません、残念ながら存じておりません。
○阿久津委員 これは、例えばトランスポーテーション・リサーチ・レコードとかという雑誌にも出ているんですけれども、簡単に申し上げれば、事故が起こりやすいところを数値化して示している、そういうフォーミュラなのです。
もちろん、アメリカの中でも州によっては今なお、何人死んだからここに踏切をつくろうやというやり方でやっているところもあるんですけれども、最近ほとんどの州がアクシデント・プレディクション・フォーミュラというのを使って、事故防止の基準にして、かなり改善が認められているんですね。ぜひ、この辺も客観的な基準づくりということで御努力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○安富政府参考人 先生の御指摘を受けまして、我々もその点、いろいろ勉強していきたいというふうに考えております。
○阿久津委員 本改正案について地方分権の観点からいうと、本当にまだまだ不満な部分がいっぱいあるんですけれども、ただ、進歩しているというか、そういうところも幾つか見受けられますので、本改正案に地方分権の趣旨はどのように反映されているのか、ちょっとダブっちゃうところがあるのかもしれないんですけれども、お答えいただければと思います。
○泉副大臣 地方分権の趣旨がどのように反映されておるかというお尋ねでございます。
先ほどお答え申し上げたことと重複する部分もございますが、踏切道の改良というのは、地域住民の生活に大変影響する、環境も含めまして、日常の踏切を渡る時間等を含めまして生活に多大な影響があるということから、地域のニーズをいかように反映させていくかということから、踏切道の改良を推進する必要があるという考え方でございます。
今回の改正案というのは、関係市町村の意見を聴取した上で、都道府県知事による申し出を踏まえ、それに基づいて国が改良すべき踏切を指定することができるという段取りを組み込ませていただいておりますのは、まさに地方で生活の方々に立脚した物の考え方、まさに地方分権の一つのあらわれであると国土交通省としては考えておるところでございます。
○阿久津委員 今インターネットで検索すると、踏切行政についての市民の不満というのが結構簡単に掌握できるんですね。
例えば、今出ている不満の一つとしては、拡幅などの構造改良を行う際、近接踏切の廃止を前提にしているため、地域の意向が反映されないといった事例が今なおあると聞いているのです。地域の実情に応じた制度運営は保証されているんでしょうか。
○安富政府参考人 踏切道の拡幅につきましては、先生今お話しになりましたように、一部の鉄道事業者が統廃合をどんどん進めたいという強い意欲のあらわれではございますけれども、近隣の統廃合を条件として拡幅を認めるといったような措置を講じている場合がございます。実は、これは我々の方にもいろいろな不平不満という形で上がってきております。
そういうことから、実は平成八年に「踏切道の拡幅に係る指針」ということで、一定の踏切道については統廃合は条件としなくて拡幅ができるということを、指針という形で通達を出しておるわけですけれども、やはり事業者としては、統廃合を何とか進めていきたいということがございまして、現在においてもまだ条件という形でやっている例がございます。
したがいまして、今回、先ほどの平成八年に出しました指針、「踏切道の拡幅に係る指針」の趣旨の徹底を図るということ、それから、道路管理者、鉄道事業者の円滑な調整を図る、各地域の連絡調整会議で特に踏切道あるいはその周辺の道路との計画の整合性を図っていくとか、そういう形での調整を図る、さらには、先ほども申しましたように、都道府県知事による申し出制度、あるいは道路管理者、鉄道事業者との協議が統廃合をめぐってなかなか調わないという場合には、国土交通大臣による裁定制度といったものをいろいろ活用しまして、そういう踏切道の構造改良といったことが円滑に進んでいくように、我々としても努力していきたいと思っております。
○阿久津委員 地域の声ということでいえば、実は、私の選挙区は中央線の延長線上の八王子市でございます。八王子市で私も車に乗って踏切のところでよくとまってしまうことがあるんですけれども、朝のラッシュ時にスピードの違う列車がたくさん行き来するんですね。例えば、特急と普通の快速と、まごまごしていると貨物列車まで朝のラッシュ時に通ったりするんです。
先ほどちょっと警報時間制御装置のお話をされたので、ちょっと伺いたいと思うんですけれども、この警報時間制御装置についてもうちょっと詳しくお話しいただいて、かつ、この導入計画というのが今どうなっているのかをお答えいただければと思います。
○安富政府参考人 警報時間制御装置と申しますのは、先生今おっしゃいましたように、遅い列車と速い列車が、通常の踏切ですと、ある一定の場所に来ると、そこに列車が到達したということで警報機が鳴り出すという仕組みなんですが、遅い列車の場合にはその地点から踏切に到達するまで結構時間がかかってしまう、ところが速い列車だとすっと入ってしまう。そういうことがございますので、速い列車の場合にはもちろんある程度の距離を置いて警報を鳴らさなきゃいけないんですが、遅い列車の場合、もうちょっと踏切に近いところで警報を鳴らすというような形で、きめ細かく時間制御を行って、できるだけ遮断時間を短くしようという装置でございます。
現在、これについて、先ほども言いましたように、事業者が従来からある程度整備を進めてきておったわけですが、平成八年度から補助対象として我々としてもこれを積極的に進めていこうということで、現在、補助対象に加えてその整備を図っているところでございます。具体的に年何カ所というようなことではございませんが、予算の範囲内でできるだけたくさんやっていきたいというふうに考えております。
○阿久津委員 これはもちろんわかればで結構なんですけれども、今いわゆるボトルネック踏切を対象にどのぐらい設置されているんでしょうか、この警報時間制御装置というのは。警報時間制御装置というのは、ボトルネック踏切に対してはどのぐらい――わかればで結構です、これは突然の質問ですので。
○安富政府参考人 具体的な、ボトルネック踏切の中でどれだけ整備されているかということ、今手持ち資料がございませんので、ちょっと調べてみたいと思っています。
○阿久津委員 ボトルネック踏切の解消の決め手はもちろん連続立体交差なり立体交差にあると思うんですけれども、ひとつ、より緊急性の高い改善策としては、警報時間制御装置というのは非常に効果があるんではないかというふうに期待をしておりますので、ぜひ早急な導入に向けて御努力をいただきたいというふうに思います。
続きまして、いわゆるあかずの踏切、ボトルネック踏切の問題について集中的にお話を伺いたいと思います。
都市住民の悲痛な嘆きを聞いたことが、大臣、ありますでしょうか。JR東日本のホームページによりますと、踏切事故の六割は、いわゆるあかずの踏切等で待ち切れず遮断機をくぐることなどによって事故になってしまうというふうに聞いております。
本法律の制定が昭和三十六年でしょうか、制定されてから既に四十年の歳月がたっているにもかかわらず、あかずの踏切問題は解決にほど遠い状況にあると思うんですが、その理由は一体何でしょうか。今までなぜ解決できなかったのか、お答えいただきたいと思います。
○大石政府参考人 あかずの踏切がなかなか解消しない理由は何なのかという御指摘でございます。
あかずの踏切の大部分が大都市部分に集中いたしております。その踏切の解消のための立体交差化事業は、鉄道沿線の住民の移転が必要となるなど、関係者間の利害調整に多大の時間を要するものでございます。
また、それぞれの事業が非常に規模の大きい事業でございます。先ほど副大臣からお答え申し上げましたように、箇所ごとの予算の確保が非常に難しいといったようなこと、あるいは狭隘な空間での施行を余儀なくされているなどのことから工法の選択に非常に幅が狭いものがございます。したがいまして、長期間の工期を要するといったようなことが課題となってございます。
また、地方費の負担あるいは予算の確保等もその課題の一つでございます。
このため、これらの課題に対応することといたしまして、本法律の改正によりまして事業のスピードアップを図りたいと考えているところでございます。
○阿久津委員 平成八年から十二年度までの、前の法律のときに、大臣が指定をする際に、あかずの踏切問題を指定の際の念頭にはっきりとした形で置いていたんでしょうか。それとも、全体の中の一つみたいな形でとらえていたんでしょうか。
○大石政府参考人 先ほどお答えいたしましたように、踏切の遮断時間、それは時間でありますとか交通量で換算されるものでございますが、そういったものが指定要件となってございます。当然、あかずの踏切はそういった数字が極めて悪いものでございますので、考慮の対象であったことは当然でございます。
○阿久津委員 そうすると、数字の上であかずの踏切というのは当然念頭に置いた上で、これまでもやってきたんだけれども、なかなかうまくいかなかったということだと思うんです。
それで、ボトルネック踏切、いわゆるあかずの踏切問題に対処する上で、本改正案が有する意義とは何でしょうか。本改正案であかずの踏切を本当に解消できるというふうにお考えでしょうか。
○泉副大臣 今、先生が、過去の成果を踏まえ、本法案の改正で解消できるか、こういうお尋ねであります。
これまでも、国土交通省としては、精いっぱい取り組んでまいったと申し上げなければなりません。これは、今日まで、都市住民を中心とする多くの方々が、ある意味では列車の本数が少なかった、またある意味では自動車の発生交通量が少なかった、そういうときからこの踏切問題に何らかの対応をすべきであるということが、そもそものこの法律案のスタートだったと私は思います。
解消を図る一方で、御承知のように、都市部における鉄道の交通量が飛躍的に伸びておりますし、特に通勤通学の重なる早朝の時間帯などはそうだと思いますし、発生交通量もまた格段に飛躍をしておる。そういう中で、都民の方々のお困りになる状況に一層拍車がかかってきたというのが実態だと私は思うんです。
しかも、国民の要望が一段と高まってくるという中で、依然としてこの踏切問題の解消がなかなか果たされないのではないかという御指摘を先生はなさっておるんだと思うんです。それは私どもも冷静に受けとめなければならないことでありますし、そうした国民の思いを受けて、この法律案の改正に取り組ませていただいておるわけでございます。
たびたび申し上げますように、七万カ所を超えた踏切、昭和三十六年の時点から、三万二千カ所にまで減少しておるということは、我々の努力、あるいは市町村を含めました地域の方々の努力の成果であると、ぜひ先生にも御認識をいただきたいとまず思います。
今後、今回の法改正によりましてすべて解決できるかということになりますと、先ほど来申し上げておりますように、千カ所のうちの五百カ所が当面の目標でございますので、この目標を達成すべく、我々としては全力で取り組んでまいりたい、このように思っておるところでございます。
○阿久津委員 そうしたら、今の目標についてちょっと詳しく伺いたいと思うんですけれども、まず初めに、ボトルネック踏切の定義というのは何でしょうか。それで、全国で何カ所あるんでしょうか。一応確認したいと思います。
○大石政府参考人 ボトルネック踏切の定義は、二種類の数値で判断をいたしております。
一つは、踏切の遮断時間でございます。一日のうちのピーク六十分のうち四十分以上遮断しておる、そういう踏切が一つでございます。
それからもう一つには、遮断量でございまして、交通量が、五万台の車が一時間とめられることと、それから五万時間、一台の車がとめられることと等価とみなすという、台時という考え方でございますが、一日当たり五万台時以上遮断しておる、そういう踏切がボトルネック踏切でございまして、全国で、先ほど来お答えいたしておりますように、約一千カ所でございます。
○阿久津委員 よくわかりました。
それで、この改正法案を見ると、ボトルネック踏切とは言うんですけれども、そのボトルネック踏切という言葉が出てこないので、不安になりますのでちょっと伺わせていただきたいんです
が、この中で、本改正案の中で「国土交通省令で定める基準に該当する踏切道」というふうにあるんですけれども、この国土交通省令で定める基準に該当する踏切道とは、どんなものを指し、幾つあるのでしょうか。
○大石政府参考人 先ほど指定基準の御説明を申し上げましたが、立体交差化の場合ですと、一日に一万台時以上といったようなこと、あるいは一般国道であるかどうかといったようなことが省令の基準になってございます。
また、構造改良につきましては、一日当たり二千台時でありますとか、あるいは前後の道路との幅員差が一メーター以上、あるいは交差角度が非常に悪いだとか、段差があるだとか、勾配がきついだとかといったようなものが省令の要件でございまして、そういった条件に該当する踏切は、全国で約一万一千弱というように想定いたしております。
○阿久津委員 ちょっとわからないのが、ボトルネック踏切ボトルネック踏切と言うんですけれども、この法案を見る限り、その対象がボトルネック踏切になっていないということですね。つまり、今の国土交通省令で定める基準に該当する踏切道というのは、イコールボトルネック踏切ではないですね。ちょっと確認したいんです。
○大石政府参考人 そのままイコールにボトルネック踏切ではございません。しかしながら、この約一万七百でございますが、その中にはほとんどボトルネック踏切が含まれているものと考えております。
○阿久津委員 ちょっと今のは答えにならないと思うんですね。
先ほど、七万から三万二千に踏切が少なくなったと。私はある意味で、大変かどうかは別にして、進歩だと思うんです。その三万二千のうち、絞り込みが一万一千なんですね。つまり、今、私流に解釈すれば、地方分権の大きな流れの中で進んでいるんだけれども、緊急にやらなければならない、この五年間のうちにやらなければならない、どうしても改良したい踏切ということで絞り込んでいるはずなんです。絞り込んでいるのに、三万二千から一万一千という、たった三分の一に絞り込んだ上での対象でしかないんですね。
つまり、対象がぶわっとぼやけてしまっているのが今回の法律だというふうに思うんですけれども、どうしてこれは、はっきり言ってボトルネック踏切に対象を狭めないんでしょうか。あるいは、先ほど一日当たり一万台時という基準で、三千八百カ所の立体交差化の基準が示されたと思うんですけれども、せめてその基準に狭めて書く等、法案に盛り込まれないんでしょうか。
○大石政府参考人 先生の御指摘は御指摘として、私は傾聴に値する御意見だと思います。
ただ、ボトルネック踏切以外にも、例えば、前後に医療施設等ができまして、その踏切を通ることが余儀なくされるというようなケースでありますとか、あるいは、都会のようにネットワーク状に道路が形成されている場合ならいいんですが、そうでなくて、その踏切を通らなければならないといったような状況の都市等がたくさんございます。それはボトルネック踏切の定義に該当しない、そういう交通量であるかもわかりませんが、地域の方々からは改良を非常に急ぐといったような声が出てくるケースもございます。
したがいまして、私、先ほど一万七百カ所と申し上げましたが、立体交差で考えたいと思っておりますのがそのうち約三千八百、それから構造改良で足りるといいますか、構造改良で対処できると考えられますものが約三千五百、それから保安施設を整備することによって対応できると考えられるものが三千四百でございますので、あかずの踏切対策は、どちらかというと構造的に対応していくものでございますから、一万七百カ所からは相当な絞り込みがなされているものと考えております。
○阿久津委員 であるならば、なぜこの法案にボトルネック踏切という文言を入れるなり、緊急に改良しなければならないという優先順位を明らかにするようなニュアンスが反映されていないのかというのが、私は実は非常に不満なんですね。
それで、これは今までと同じような文章なんですよ、続いている法案ですから。今までと同じような法案の書き方で、これまで四十年間できなかった改良が突然できるわけがないと思うんですね。
それで、なぜボトルネック踏切の解消を法案ではっきり示せないのか、泉副大臣、ちょっとお伺いしたいんです。
○泉副大臣 法律用語としてボトルネックという言葉がなじむのかどうか、私、今ここでお答えするだけの知見を持ち合わせておりません。片仮名が最近法律に入ってきておるわけでございますので、全く不可能だとは思いませんが。
その言葉を法律の中に書き込むかどうかは別の問題といたしまして、ただいま道路局長からるるお答えをいたしておりますように、いわゆるボトルネック踏切を中心に今回対処をしていきたい。そしてまた、先ほど来先生御指摘の地方分権というものの考え方から、市町村の御意向を踏まえて、どこが重要かということも十分反映できるような仕組みをとらせていただいておりますので、御指摘のような点にも十二分におこたえできるものではないかと思っております。
○阿久津委員 そうしたら、大臣、この新しい、延長する法律で、大臣はボトルネック踏切を初めとする、半減というふうにこの説明ペーパーに書いてありますよね、都市部におけるボトルネック踏切約千カ所対策の実施、十年間で半減というふうに書いてありますね。これをしっかりとできるというふうに断言できますでしょうか。
当面五年間という形になりますけれども、そこの間で着実に五年間分のことは実行するんだ。まあ、十年間で半減で、千カ所ですから、五百カ所の半分二百五十とは言いませんけれども、それに近い形はお約束をいただけますでしょうか。お答えいただきたい。
○泉副大臣 法律案を提案させていただいています以上は、そうした目標を実行できますように、当然、国土交通省としては、ある意味では義務を背負うというふうに思っております。
しかしながら、財政事情の問題でありますとか、あるいは地元調整の問題でありますとか、我々が予見できないような事柄が起きてきた場合には、その目標が達成できないこともあるいは生じるかもしれません。しかし、今日の、法案を御審議いただく過程におきましては、その目標達成に全力で取り組む覚悟でございます。
○阿久津委員 しかしながらの後がちょっと不安を感じないわけではないのですけれども。
でも、非常に前向きの御答弁をありがとうございます。
それで、だめ押しというか、この実行に向けたタイムテーブルというか、プログラムというのは、現段階であるんでしょうか。もうちょっと詳しく言うと、あかずの踏切半減を今宣言されたわけですね、目標ということで。まあ何が起こるかわからないですけれども精いっぱいやると言い切ってくださったわけです。その中で、それを実行していく、それを担保するタイムテーブル、計画表みたいなものが、現段階であるんでしょうか。
○大石政府参考人 現段階であるかという問いにストレートに答えるとすれば、現段階ではきちっとした計画になるものはございません。
しかしながら、今後、本法律を受けまして、例えば、踏切事故の防止の総合対策を定めるでありますとか、あるいは、現在我々は、道路整備の五カ年計画、平成十四年度までの五カ年計画が進行中でございますが、その十四年度までの五カ年計画の中にも盛り込んでございますけれども、新たにつくることとなる五カ年計画の中では、当然のことながら、この法律の趣旨を受けまして、踏切道対策を重点的に書き込んで行くことによりまして、その担保を図りたいと考えているところでございます。
○阿久津委員 先ほどの泉副大臣の答弁も踏まえた上で、しっかりとしたタイムテーブルをおつくりいただいて、ぜひ国民に公表していただきたい。私にも、資料として、これを、できた段階でいただきたいと思いますので、資料請求をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
もう少し詳しく質問をさせていただきたいと思います。
指定された踏切の改良は、鉄道事業者、道路管理者にとって義務的なものなのかどうか、それとも単なる努力目標なのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○安富政府参考人 本法に基づき指定を受けた踏切道につきましては、指定をする際に、指定された期日までに計画を提出し、これに従い改良を実施することを通知しておりまして、これはそういう意味で法的義務を負うことになるものであり、単なる努力目標ではございません。
○阿久津委員 計画の作成及び実施義務というふうに考えてよろしいのでしょうか。だとするならば、いつまでにその義務を果たせばよいのか、大体のデッドラインみたいなものはあるんでしょうか。
○安富政府参考人 先ほど申しましたように、指定をする際に、具体的に、指定された期日までに計画を提出して、これに従って改良を実施するということをうたっております。したがいまして、そういう意味で法的義務を負うことになります。
なお、念のため申しますと、従来は、仮に、法的義務を履行しないという場合に、それを強制する措置というのがこの法律の中には具体的にはございませんでした。したがいまして、今回、裁定制度の創設ということで、もし協議が調わないという形で計画の策定がおくれるというようなことになった場合には、これは国土交通大臣が裁定をするということによって協議が調ったということになりますので、そういう意味で、今まで以上に具体的な実施というものが進んでいくというふうに我々は考えております。
○阿久津委員 ちょっと不安があるんですね。というのは、計画の作成及び実施義務というのは大体理解ができるんですけれども、いつまでにその義務を果たさなければならないのかというのが、大体の見通しでも、通例ということでも結構なんですけれども、ないのでしょうか。つまり、それがないと、まず裁定まで踏み込む前の話で、やはりずるずると行ってしまうことが予想されるので、そこのところ、済みません、ちょっとくどいようなんですが、もう一回お答えいただきたいと思います。
○安富政府参考人 これは当然、踏切の種類によって違いますが、連続立交ですと相当の長期間になるということもございますが、例えば、保安設備でありますと数カ月、あるいは構造改良でありますと一年とか、そういう期間がございますので、大体常識的にそういうところがございますので、そういうものをめどに我々としてはやっていきたいと思っています。
○阿久津委員 どうもありがとうございます。
それでは、裁定との関係についてちょっとお伺いしたいと思うのですけれども、裁定の申請は鉄道事業者、道路管理者にゆだねられた形になっているんですが、裁定申請が行われないまま、指定事業がたなざらしになるおそれはないでしょうか。
○安富政府参考人 本法に基づきまして立体交差または構造改良の指定というのがなされました踏切道については、鉄道事業者及び道路管理者が協議によって改良計画を作成していくということになるわけでございますけれども、通常、その協議が調わない場合に、両者そろって改良計画の作成を行わないということは我々としては考えられない。どちらかに問題があるからなかなか協議が調わないということであって、今回の法改正では、どちらか一方が裁定を申請すれば直ちに大臣としては裁定行為に入っていくということにしておりますので、両方が踏切改良については指定されたけれどもつくりたくないということがあれば別ですけれども、通常はそういうことではなくて、いずれか一方の裁定申請によって行われますので、両方から申請がなくてたなざらしになるというようなことは我々としては想定していないところでございます。
○阿久津委員 今のお答えではちょっと弱いかなというふうに思うのですけれども。
私は、この裁定にはある種の実施義務があるというふうに思っているのですけれども、これは間違いでしょうか。
○安富政府参考人 あくまで裁定自体については国土交通大臣が裁定できるということで、道路管理者や鉄道事業者からの裁定の申請に基づいてやるということでございます。
その前に、先ほど言いましたように、指定された踏切道の改良については、道路管理者、鉄道事業者、いずれも実施する義務がございますので、本来はそれをやらなきゃいけない。ただ、問題は、協議がなかなか調わない。それはどちらに原因があるかというのはいろいろあるかと思いますが、その際は、どちらでもいいですから裁定を申し出てください、そうしましたら我々としては直ちに動きます、こういう制度にしているということでございます。
○阿久津委員 やはり何度聞いても、今のお答えだと、確かに指定の部分での実施義務みたいのはわかる。それがきいているから裁定においても大丈夫なんだというふうにとれるんですけれども、であるならば、今までの法律でたなざらしになってずっと行われないようなことはなかったはずなんですね。つまり、ある種のデッドライン、締め切り期日までに協議がまとまらなければ裁定を申請しなければならないというような、実施義務みたいな形まで踏み込んで解釈がされないと、私は、この法律をつくってもやはり結果としていろいろな問題で進まなかったというのが多分に起こってしまうのではないかと思うのですが、感想があれば。
○安富政府参考人 先生のおっしゃることは御意見としてはよくわかるわけですが、今までは、いわゆる裁定制度もないという状態でございました。したがいまして、協議をしても、片一方が、一言で言うとかたくなで、なかなか言うことを聞かないということになりますと、それでもってなかなか事業が進まないという状態が続いてきて、法律的には、その段階で我々としてもそれ以上の措置ができないということだったわけですが、今回はこの裁定というのがございますので、少なくとも改良を進めるという意欲がある限りにおいて、これは当然、道路管理者も鉄道事業者も、場合によってはそのどっちが意欲があるかという問題はございますけれども、協議が調わない事情によるかと思いますが、そういう義務づけでやはりやっていかなきゃいけないということがございますので、裁定の申請があるものというふうに考えておりますし、また、実際の運用としましても、当然のことながら、我々としてはこの裁定制度の効果的な運用を図っていくということは目指しておりますので、踏切道の改良の円滑な実施を確保するという観点で、鉄道事業者あるいは道路管理者、両方に対していろいろ指導していきたいというふうに考えております。
○阿久津委員 ちょっと幾つか数字に関することを伺いたいと思うんですけれども、過去五年間に踏切道改良促進法に基づいて立体交差化を指定された踏切数は幾つありますでしょうか。
○大石政府参考人 踏切道改良促進法に基づく立体交差化の指定は、平成八年度から平成十一年度までの四年間に四十九カ所でございます。
○阿久津委員 どうもありがとうございます。
そのうち、ボトルネック踏切数は幾つありましたでしょうか。
○大石政府参考人 申しわけございませんが、この四十九カ所の中に幾つボトルネック踏切があったのかについては、この段階では承知いたしておりません。
○阿久津委員 先ほど、平成十二年度以前、つまり前の法律以前にも、ボトルネック踏切みたいな概念はなかったけれども、細かい数字というんですか、渋滞がどれぐらい、台数がどのぐらい起こっているとか、一時間にどのぐらい遮断機がおりているとか、そういう数字はあったということですから、この四十九カ所の立体交差を全部調べていけば、これはわかると思うんですよね。これは何度も資料請求しているんですけれども、出てこないんです。
ちょっときょうは、もう余り時間もないので、大臣もいらっしゃいましたので大臣の方にも質問させていただきたいので、ここはこれ以上申しませんけれども、ぜひこれは数字で、資料請求しますので出していただきたいんです。それは、やはりボトルネックにどれぐらい国土交通省が意気込みを持って取り組むのかに通じることだと思うんですね。
これは本当にラフなこちらの見積もりなので、公式的な数字としてはちょっと失礼があるかもしれないんですけれども、私の方で推定した、過去五年間、平成八年度から十二年度の間に立体交差を指定されたものが四十九カ所あるんですけれども、そのうちボトルネック踏切と見られるのが大体五つから六つぐらい、ちょっと資料にもよるんですが、多ければ七個から八個ぐらい、どちらにしてもせいぜい一、二割だというふうに推定しているんです。
つまり、本法では、説明ペーパーで幾ら緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施とうたい、ボトルネック踏切対策と称して十年間で半減するという目標を掲げても、法案の中できちんと対象の絞り込みを行わなければ、八割から九割は緊急的かつ重点的とは言えない踏切事業に使われてしまうという懸念がやはりどうしてもつきまとうのですけれども、この点について、ちょっと扇大臣、まだ無理かな、いかがでしょうか。
○泉副大臣 今御指摘のように、いわゆるボトルネック踏切以外に使われるおそれはないかという御心配でございます。
私どもは、先ほど来お答えを申し上げておりますように、まさに住民生活に一番大きな影響のあるところから片づけていきたいという思いでこの法律を出させていただいておるわけでございます。したがって、先生の御指摘の問題については、今後、実施の上においてそうしたことがないように留意をしてまいりますが、そのことを申し上げて、我々の意図するところをぜひ御理解いただきたいと思います。
○阿久津委員 泉副大臣、先ほどの決意もぜひ扇大臣にも伝えておいてくださいね。
それから、ここで、扇大臣がお忙しい中お越しいただいたので、どうしても聞きたかった一つを聞きたいと思うんですけれども、簡単な質問なんですね。あかずの踏切問題の解決に向けた大臣の決意を伺いたいんです。
○扇国務大臣 せっかくお話しの質問の継続性があろうと思いますけれども、おくれて入ってきましたので、あるいは重複する部分もあろうかと思いますけれども、私は、国土交通省としまして、このあかずの踏切問題というのは本当に大事なことだと思います。なぜかと申しますと、根底には、日本の国内の物流というものが世界的なレベルに到達できるかどうか、二十一世紀、物流というものが世界に伍していけるかどうかというのが日本全体の大きな問題になっております。それは、高速道路を完備さすということだけではなくて、民間の物流のためにこのあかずの踏切というものをいかに解消していくか、これが大きな問題になっているということ、そういう認識のもとに私は、どうしてもこのあかずの踏切の解消をしていく。
そして、御存じのとおり、踏切が全国に三万二千カ所ございますけれども、そのうち、ピーク時四十分以上遮断しているというあかずの踏切が約一千カ所あるのをもう既に御報告があったかもしれませんけれども、そういう意味では、私どもは、踏切道の改良促進法、これが御存じのとおり、過去、整備五カ年計画に基づいて踏切の立体交差をしていこうということになっておりますけれども、御存じのとおり、私どもは、四十分以上の踏切が一千カ所あるということで、年間で少なくとも約五千七百億円の経済的損失をしている。それなればどうするかということで、立体にしますときに、立体にすることによって踏切の両側に立ち退いていただかなきゃいけないおうちもあるいは出てくるかもわからない。
けれども、そういうことも含めて、私たちは、冒頭に申しました日本の物流の原点というものを確立するために、この踏切のボトルネック解消というものは国土交通省の大きな政策の一つとして取り組み、なおかつ、目標を挙げて私どもはこの踏切の解消に努めていくというふうに、踏切の解消の目標をきっちり定めて出しておりますので、今副大臣から既に御答弁があったかもわかりませんけれども、私どもは、その目標に向かってボトルネックを、交通渋滞をもたらすために、何としても解消していくということのために多くの予算もちょうだいし、なおかつ地方自治体にも御意見を聞いて、官民一体となって私たちはこのボトルネック解消に大きな政策の重点を置いているということを御理解いただきたいと思います。
○阿久津委員 私も、このボトルネック踏切の解消というのは、特に都市部に住む住民にとっては本当に大切な問題で、命にかかわる問題と同時に、先ほど、時間的なロスによる損失の話も実は関係者の方々からあったんですけれども、これを解消しないと、世界の中で、日本の首都東京とかあるいは三大都市大阪とか、日本はやはり自慢ができないと思うんですね。これについては、本当に今の扇大臣の決意のとおり実行していただきますようよろしくお願いいたします。
それで、先ほど、数値目標も、ボトルネック踏切の半減を目標とするということをきちんといただいております。また、その後、実施計画もしっかりしたものをつくるんだという御答弁もいただいております。これは、扇大臣みずから、この実行をきちんと監視して、かつ、いろいろなところでこの問題についても啓蒙していただくような発言もしていただいて、ぜひ実現していただきたい、そのように思います。
それで、実は先ほど何度も繰り返した問題なので、そんなにはもうやりませんけれども、ちょっとこの法文だけで言うと、ボトルネック踏切を必ずしも対象とするような文章になっていないのです。これはもう私からのお願いだけにしますけれども、できればボトルネック踏切解消を重視する旨を本改正案に明記していただきたいということを最後に一つだけお願いしておきたいと思います。
終わりになりましたけれども、私は、本改正案は、いわゆるボトルネック踏切の解消を明記していない点で、その部分においては不十分なものだと思います。
それは、第一に、本法案が最適な予算配分を保証するものではないという点にあります。現在、国土交通大臣の指定対象となる踏切数はおよそ一万カ所、そのうち立体交差化指定の対象となる踏切が三千八百カ所と言われております。さらに、その中で緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施が求められている、いわゆるボトルネック踏切が約千カ所あるわけでございま
す。
最適な予算配分の実現という観点から見るならば、少なくとも、立体交差化の対象となる踏切交通遮断量一日当たり一万台時以上の踏切のうち、踏切交通遮断量一日当たり五万台時以上であるボトルネック踏切の改良が優先されるべきであることは言うまでもありません。また、ボトルネック踏切の解消が緊急的かつ重点的であることは、国土交通省自身も再三認めているというふうに思われます。
しかし、そうした点がなぜ本改正案には全く反映されていないのか。あかずの踏切問題は、ここ二、三年に顕在化した問題ではありません。ボトルネック踏切という概念がつくられるはるか以前から、都市住民はあかずの踏切によって多大の損失を受けてきたのです。この法律がそうした問題点に全く手をつけないまま指定期間を延長されるのであれば、不急、不必要な踏切改良に貴重な国費が支出されてしまう危険性を私は指摘せざるを得ません。
第二に、本法案と地方分権との関連であります。将来日本が実現すべき財源の移転をも含めた真の地方分権社会においては、踏切行政は、地域の実情をよく踏まえている地方がイニシアチブをとって行うべきものであると考えます。ただ、そうしたいわゆる将来的な問題とは別に、現在における踏切改良の重要性、特に都市部におけるボトルネック踏切、あかずの踏切問題の緊急性を考えるならば、国が踏切行政に関与し、踏切道改良の促進を図るという本法案の趣旨に対しては、私は一定の理解を示すものであります。
しかし、そうであるならば、地方分権の趣旨からして、法律の目的を可能な限り明確かつ具体的に限定し、中央の裁量の余地をできるだけ狭める努力を行うべきであることは言うまでもありません。その意味で、本改正案にボトルネック踏切の解消を目的として明確に盛り込むことが、地方分権に至る過渡期の法律としての本法案に求められることなのです。そうした立法上の配慮が全くうかがえない点が本改正案の第二の問題点だと思います。
国土交通省は、あかずの踏切問題の解決に向けた強い決意を本改正案に明記するべきである、そのことを再度訴えて、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。