第151回国会 衆議院 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
2001年06月06日

○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。

 本日は、現在の選挙制度が抱えるさまざまな問題点について質問をさせていただきたいと思います。

 これまで国民の政治離れという問題が指摘されてまいりました。衆議院選挙を初め選挙の投票率は戦後一貫して低下を続け、地方選挙においては既に三〇%を切るといった事態も生じております。特に、若者の政治に対する無関心は深刻であるということが言われてきました。しかし、小泉内閣が誕生してから、この一カ月を振り返ると、国民の政治に対する関心が非常に大きくなってきているということをひしひしと感じます。今、国会はどうなっているのか、国会議員は何を議論しているのか、小泉総理の改革断行宣言は本物か、そうしたことに国民の熱い視線が寄せられております。テレビの国会中継が巨人戦の視聴率を上回ったとも聞いております。従来では考えられなかったことが起きているわけです。

 つまり、国民の政治離れというのは大きな間違いであったと私は考えております。国民が離れていったのは、政治そのものではなくて、派閥政治や利権談合政治に象徴される古い既成政治だったのではないでしょうか。だからこそ、派閥の解消や構造改革を掲げる小泉内閣の登場がこれほど大きな国民の関心を呼んでいるのだと思います。

 さて、国民が政治にかかわっていく上で最も大きな手段の一つが選挙であることは言うまでもありません。本日、私が選挙制度の問題を取り上げるのは、現行の選挙制度には民主主義国家にはあるまじき規制が多過ぎるのではないか、国民の政治参加や政治家と国民のコミュニケーションをむしろ妨げる仕組みになってはいないか、そうした疑念を常々感じているからであります。選挙制度もバリアフリーの精神が必要です。

 そこで、そうした問題点の幾つかについて、これから質問させていただきたいと思います。

 まず初めに、選挙権年齢の引き下げについて伺いたいと思うんですが、現行法では選挙権年齢は二十歳からということになっておりますが、その根拠は何でしょうか。選挙権年齢と成人年齢が一致する必要があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

○遠藤(和)副大臣 憲法十五条三項では、成年者による普通選挙を保障しているわけですけれども、具体的に何歳からであるかということについては、法律にゆだねているわけですね。したがいまして、公職選挙法で二十歳と決めているわけですけれども、民法上の年齢と理論的に同一である必要はあるのかというお尋ねであれば、それは必然性はない、必ずしも一致しなければならないということではありません。

 しかし、実際問題といたしまして、経済社会において自己のために司法上の行為をするに十分な判断能力を備えているとみなす民法上の成年と、政治に参加して選挙権を行使するというにふさわしい判断力を持っているとみなす選挙権年齢とを異にするだけの十分な理由があるのかどうか、ここは議論のあるところだと思います。

 さらに、選挙の公正確保と選挙犯罪の関連とを考えますと、選挙権年齢の問題は、まず民法上の成人年齢それから刑事法上での取り扱いなど、法律体系全般との関連がありますので、十分に考慮しながら検討すべき事項である、このように理解をしているところでございます。

○阿久津委員 もう少し深くそこのところを伺いたいと思うんですけれども、要するに、選挙権年齢と成人年齢というのは必ずしも一致しないということだと思うんですけれども、私は、今おっしゃろうとしていることは、むしろ前提の部分で、どちらかといえば、成人年齢が一つ設定されている、それ以上の部分で選挙権年齢を設定するべきだというふうに考えているのでしょうか、ちょっと確認したいのです。

○遠藤(和)副大臣 そうではございませんで、いわゆる民法上の成人という規定と公職選挙法上の選挙権年齢は、理論的には一致する必然性もないけれども、それを異にするだけの積極的な理由を見出すのはなかなか難しい、こういうことでございます。

○阿久津委員 第百四十二国会の衆議院公選法特別委員会で田中甲議員が質問をしておりまして、それに対する政府委員の答弁にこんなものがあるのですね。「むしろ、成人年齢の中で選挙権の年齢要件をどうするのかという物の発想ではなかろうか、それが今は成人年齢と一致している、こういうふうに御理解をいただければと思います。」というふうに答弁しているのですけれども、これをやはりストレートに読むと、ある種の前提、一つの前提はわかりましたよ、つまり刑法の部分と民法の成人年齢の部分ですけれども、刑法、少年法とかいろいろ関係法令はありますけれども、それとともに成人年齢というのは非常に重きを置かれているのではないか、それを前提にした上で選挙権年齢を決めると考えていいのではないかというふうに思うんですが、ちょっと大臣、答弁いただけますか。

○片山国務大臣 恐らく、成人年齢と同じにした方がいいという判断だと私は思います。

 民法、刑法も二十歳というのを一つのメルクマールにしておりまして、それから扱いを変えておりますから、一人前というのは二十歳以上ということが昔からの、観念的にも、そういう社会通念でございますから、そこに恐らく合わせたのだろうと私は思いますし、それはそれでよかったのじゃないかなと思っております。

○阿久津委員 それでは、ちょっと伺いたいのですけれども、選挙権年齢引き下げが当然議論されているわけなんですけれども、そのメリット、デメリットというのをちょっと確認させていただきたいのです。

○遠藤(和)副大臣 民法や刑法等の成人年齢に合わせまして選挙権年齢が引き下げられた場合は、これは責任を持つ若者として、当然政治に対しても関心を持っていただけるということでございますから、そういう若い人たちの意見が政治に直接反映される、そういう意味ではメリットはあると思います。

○阿久津委員 今の遠藤副大臣の答弁というのはなかなか意外な答弁だったのですけれども、私もそう思っているのです。今までだと、十八歳になれば政治問題を判断する能力があるとか、いやいや十八歳じゃなくて二十歳なんだ、そういう議論で終始していたと思うんですけれども、今のお話は、やはり若い人の意見を政治に反映させる必要が出てきているんだというふうに、傾向で思うんですね。

 それで、諸外国の部分なんですけれども、当然いろいろと比較されていると思うんですが、諸外国はもうほとんど十八歳に引き下げられております。特にイギリスでは、最近はもう十八歳じゃなくて十六歳に引き下げようじゃないかという流れもできている。ちなみに、どのぐらいかというと、皆さんの方が御存じだと思うんですけれども、百九十一カ国のうち百四十四カ国以上ですか、もう選挙権年齢が十八歳になっています。特に先進国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、みんなこれはもう十八歳ですね。いい悪いの問題ではないかもしれないですけれども、むしろ発展途上国の方が選挙権年齢が二十歳以上になっているというふうに理解をしているんです。

 そこで、世界的な選挙権年齢引き下げの大きな流れもあるし、また、先ほど遠藤副大臣がおっしゃってくださったように、やはり若者の意見を政治に反映させるメリットもあるんだということであれば、ちょっと大臣にお伺いをしたいのですけれども、民法、少年法、関係法令等が十八歳を成人とするならば、それを前提としてというふうに置きかえてもいいのですけれども、選挙権を十八歳に引き下げることは可能でしょうか。どうお考えでしょうか。

○片山国務大臣 今、民法、刑法と連動しているのは、別にこれは連動させようということじゃなくて、結果として両方の考えが一致して二十歳になったと思いますよ。

 私は、今、遠藤副大臣から御答弁ありましたが、なるほど若者の政治的関心が強まっているということは大変いいことだと思いますけれども、やはり政治に参加をするには、思慮分別があり、それだけの社会的責任を果たす人でなければいかぬと思います。

 そこで、今、我が国の状況を見たときに、十八歳に引き下げてどれだけ投票に行ってもらえるだろうかということが一つと、やはり一種のポピュリズム、政治がそういうことになる可能性もなおあるので、私は、そこは十八歳に引き下げるべきかどうかは慎重に検討する必要がある。外国の例は、委員言われるとおりでございまして、十八歳というのは多うございますけれども、私は、我が国の現状を見るときに、今言いましたようなことから、もう少し慎重に検討すべきではなかろうか、メリットだけではないのではないか、こういう感じを持っております。

 これは別に総務省の意見でもございませんで、私が勝手に言っておるわけでございますが、そういうふうに御理解賜りたいと思います。

○阿久津委員 私は、今の発言は五十年前の発言じゃないかというふうに思うんですね、ちょっと失礼なんですけれども。五十年前に内務事務官が同じことを言っているのです、「年齢というものが、何と申しましても人間の思想の円熟さ、分別経験の程度というものをあらわす」。それで、大分遠藤副大臣と感覚に今ずれがあったというふうに思うんですが、私は、これはやはり大臣にここで英断を振るっていただきたいと思うんですよ。

 国会答弁をずっと追ってきても、大分変わってきているのです。平成十年二月に、橋本総理が「法律体系全般との関連も十分考慮しながら検討」ということを、引き下げの問題について答えています。その後、平成十二年九月、森総理は、それに加えて「各党各派で十分御議論をいただきたい」とおっしゃっているのですね。それで、ちょっとさかのぼってしまうのですが、野田毅大臣は、平成十一年三月ですけれども、もっと前向きなんです。十分検討する価値はある、そういう時期にあると思う、それだけにぜひ各党各会派で御議論を煮詰めていただければありがたいというふうに答えています。これはちょっと誤解がないように申し上げておくと、野田毅大臣は個人の部分と所管大臣として、両方あわせ持った立場でおっしゃっているというのはつけ加えておきます。

 それで、実際、各党各会派の動きを見ていると、これは間違いがなければ、済みません、確認する時間がなかったので申しわけないんですが、民主、公明、共産、社民は何らかの形で公約に掲げているというふうに理解しております。問題は自民党でございます。自民党も議論を煮詰めてほしいんですね。いつも何でもかんでも小泉総理がイニシアチブをとって、やりますと言って、それに従ってやるんじゃ、ちょっと格好悪いじゃないですか。

 大臣、ここはイニシアチブをとって、引き下げを自民党の中でもっと議論させていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○片山国務大臣 今御紹介がありましたように、時系列でいろいろな方がいろいろなことを言っておりますが、結論は、各党各会派で適正な結論を、こういうことですね。だから、私は、基本的には選挙権年齢問題は選挙制度の根幹に関することだと思いますから、最終的には、各党各会派で十分な議論の上、結論を出していただければいい。内閣としてどういう対応をするかということは、今までの選挙制度については十分に各党各会派の結論を尊重してきた、こういうふうに思います。だから、今委員が御指摘のように、自民党の中でもう少し議論を煮詰めるということは、自民党の中には選挙制度調査会がございまして、中馬委員長は大幹部でございますので、皆さんおられますから、大いに私は議論を起こすことは必要だと思う。

 ただ、私は、五十年前同じ議論があったと今初めて知りましたけれども、もう少し慎重にやる必要があるのじゃなかろうかな。五十年前の二十歳と今の二十歳と似ているのか似ていないのか、これはいろいろな議論がありましょうけれども、各党各会派でお決めいただければいいんですが、私は、個人的にはそういう感情やら持っておりまして、やはりポピュリズムということがいいのか悪いのか、これは評価はありますよ。ありますけれども、そういうふうなことになるのがいいのかなという感じをやや持っておりますので、それじゃおまえ、二十や二十一が十八、十九と比べてそんなに違うかと言われると、それは自信がありませんので、なお私自身も大いに自分の中でいろいろ考えていきたいと思います。

○阿久津委員 本当は中馬委員長に御答弁いただきたいんですが、そういうわけにもいきませんので。ちょっと大臣、今の答弁には私は納得できないし、非常に残念に思います。

 それで、ポピュリズムというふうにおっしゃいましたけれども、ポピュリズムではないと思うんですよ。今、逆に、本当に十代、二十代に熱心な若者がたくさんいるんですね。そういう意識調査をもっとしていただきたいというふうに思うんですけれども、一九七一年から七八年にかけて、十六歳から十九歳まで及び二十歳以上の国民を対象に世論調査が極めて公的に近い機関で行われているんですね。その後は実施されていないんです。つまり、七八年以降は実施されていない。

 総務省は、こうした調査を行う必要があるというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

○遠藤(和)副大臣 お尋ねの件は、昭和四十六年に調査をしたんですけれども、その結果は、十六歳から十九歳までの層も、それから二十歳以上の人たちの層も選挙権年齢を引き下げることに反対の人が多い、そういう調査結果でした。そして、その傾向が昭和五十三年ごろまで変わっていない、そういう状態があったものですから、その後は調査をしておらないわけでございます。

○阿久津委員 今遠藤副大臣のおっしゃるとおりなんですけれども、その後、大きな国民意識の変化があったというふうに私は考えております。

 これは十代、二十代で選挙権年齢を引き下げることを訴えてできた若者のグループなんですけれども、政治参加を目指してできたライツというグループがありまして、そこが調査した資料なんですが、昨年の衆議院選挙の直前に、全候補者千百二十四名を対象にアンケート調査が行われました。回答率は四一・三%、四百六十四名だったというふうに聞いているんですけれども、この中で、十八歳への引き下げに賛成だったのは九三%なんですね。これは全候補者です。

 もちろん、これは一〇〇%の回答じゃないですから、政党には少し偏りがあるでしょうし、どちらかといえば賛成する人がアンケートに答えやすいなという傾向はもちろん十分わかっているんですけれども、こういったことも踏まえて、私は、ぜひこの調査をやっていただきたいんですね。

 ちょっと大臣に伺いますけれども、十六歳から十九歳まで及び二十歳以上の国民を対象に、選挙権年齢引き下げについて、総務省として世論調査をする意思があるのかどうか、一言お答えください。

○片山国務大臣 総務省としては、そういうつもりがありませんので、本年度の予算にもありませんけれども、委員のせっかくの御指摘ですから、検討だけはしてみたいと思いますし、何度も言いますように、基本的には、こういう問題は各党各会派で党として御議論いただくことが私は前提だと思いますので、党の中馬委員長初め関係の方に言って、よく協議をいたします。

○阿久津委員 ようやっと検討というところまで引き出せたというふうに思っておりますので、後は、遠藤副大臣、ぜひ大臣を説得していただけますよう、よろしくお願いいたします。

 被選挙権についても少しだけ質問したいんですけれども、現在、被選挙権は二十五歳ないし三十歳でありますが、その根拠は何でしょうか。成人に被選挙権を保障しなくてもよいのでしょうか。

○遠藤(和)副大臣 憲法第四十四条は、両議院の議員は、その選挙人の資格は法律で定める、このように規定しておりまして、また憲法第十五条三項は「成年者による普通選挙を保障する。」こう規定しているわけでして、一定年齢の選挙権また被選挙権も法律でこれを決めているということでございます。

 選挙権と被選挙権の年齢に区別を設けておりますのは、社会的経験に基づく思慮と分別ということを期待したものでございまして、この年齢がそれぞれ適当であるとされているわけでございます。

○阿久津委員 もう少しこの問題についても話を伺いたいんですが、時間の方がかなり詰まってきまして、ほかの話題に入らせていただきたいと思います。

 次に、一票の格差是正についてお伺いをしたいと思うんですけれども、いわゆる一票の格差は何倍くらいまでなら許容範囲とお考えでしょうか。

○遠藤(和)副大臣 いわゆる一票の格差は、先ほどクエスチョンタイムでもお話があったようですけれども、やはり二倍以内、こういうのが妥当なところだろうと思っております。

○阿久津委員 小泉首相は、次期衆議院選挙までに衆議院小選挙区の一票の格差を二倍以内に是正する方針を表明していらっしゃいますけれども、是正へ向けた大臣の意気込みを伺いたいんです。

○片山国務大臣 御承知のように、昨年の国勢調査を受けまして、衆議院議員選挙区画定審議会がことし早々から、もう今作業に入っておりまして、十二月までには結論を出す、そういう中で、しっかりした答申を出していただけると思いますから、答申は、もちろん二倍というのが一つの目標でございますので、それが出てくれば政府としては最大限尊重いたします。

○阿久津委員 どうもありがとうございます。

 その是正の二倍という範囲とともに、小泉総理は、基礎配分の部分についても言及されておるんです。小泉首相は、都道府県にまず一議席を割り振る基礎配分方式の見直しについても話されているんですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか、大臣。

○片山国務大臣 今の画定審議会は、基礎配分した上での二倍ですから、そこのところは現行制度に基づく二倍以内でございますので。

 この基礎配分をどうするかは、小泉総理は予算委員会でああいう答弁をされましたが、これこそまさに各党各会派で十分な御議論を賜りたい、こういうふうに思っております。

○阿久津委員 新聞等によりますと、自民党の中の地方議員からも大分この問題については異論も出ているというふうに聞いております。私は、やはり基礎配分は国民にとってはわかりにくい制度だというふうに思っております。ぜひここのところを本当にフラットな形にしていただきたいということをお伝えして、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次に、在外邦人の参政権について、先ほどほかの委員から質問がありましたので、簡単にお伺いしたいと思うんです。

 現在、在外邦人は比例選挙しか投票できないという形になっているんですが、なぜ比例しか認めていないんでしょうか。

○遠藤(和)副大臣 これはこの委員会で議論がありまして、実は、選挙区も認める法案もその当時出てきたわけですね。私はそのときは選挙区も含めるという法案を提案していた方なんですけれども、結論といたしまして、憲政史上初めてやる在外邦人の選挙権付与法案でございますから、まず衆議院選挙も参議院選挙も比例代表選挙に限ろう、各党各会派の議論でそういう結論になった。

 その理由は、外国に住んでいらっしゃる方に個人の名前を覚えていただくのはなかなか難しいだろう。したがいまして、当時は参議院選挙も党名選挙でございましたから、衆議院選挙も参議院選挙も党名で選挙をしていただくところから始めよう、こういう議論の経過で比例代表選挙に限る、このようにしたということを記憶いたしております。

○阿久津委員 たしか法案では当分の間みたいな書き方があったというふうに思っておりますが、その流れからいえば、選挙区選挙についてもいずれ実施するんだということだと私は理解しているんです。

 当時、私も政党職員をしていまして、外務省が、当然煩雑な事務を受け持つのは外務省ですから、大分慎重になられていたというふうに思っているんですけれども、今度の新しい参議院の比例区はもっとややこしい選挙で、それにかなりの努力をされて外務省は今取り組んでいらっしゃるんですが、選挙区投票を海外で行う実務を引き受ける外務省は、指示があればできる準備はもうできているんでしょうか、あるいはそういう体制になりそうでしょうか。いかがでしょうか。

○小野政府参考人 お答えいたします。

 在外における選挙の実施を担当しております外務省といたしましては、先生御指摘の選挙区選挙につきましても、仮に将来、対象となった場合には、引き続き公正かつ適正な選挙の実施に向けて努力していきたいというふうに考えております。

 なお、昨年の在外選挙後に寄せられました海外有権者からの声の中には、仮に選挙区選挙も対象になれば有権者の関心もさらに高まるであろうというような意見もあったと承知しております。

○阿久津委員 非常に前向きな御答弁、本当に感謝申し上げます。

 そこで、大臣に一応確認ですね。条件は整ったと思うんですけれども、ずばり、在外邦人の参政権、選挙区も含めて行う意思があるかどうか、一点お聞きしたいと思います。

○片山国務大臣 今外務省の答弁もありましたし、我々としては拡大した方がベターだと思いますよ。

 ただ、御承知のように、六十万人ぐらいおるんですね。ところが、登録していただいたのは六万人で、実際投票していただいたのは一万七千人なんですね。だから、そこのところを、どうやったらたくさんの方に登録していただいて、参加していただけるかということも考えながら、今は比例区でこの状況ですから、それをもっと拡大したときに手間とお金が大変なことになるんで、そんなことを言っちゃいけませんけれども、今度制度を直して六十億か何億か選挙管理費がふえますことについていろいろ御指摘もいただきましたので、費用対効果と言ってはいけませんが、そういうことも含めながら、方向としては拡大の方向で検討いたします。

○阿久津委員 まさに今御自身がおっしゃったように、そんなことを言っちゃいけないんです、大臣。これは国民の基本的な権利なんですから、日本にいようと海外にいようと、投票するというのは大事な権利だと思います。ぜひそこのところを御理解いただきたい。むしろ陣頭に立って指導していただきたいというふうに考えております。

 最後になりましたけれども、本当はほかにも、戸別訪問の解禁についてとか記号式投票についても話をしたかったんですが、もう時間となってしまいました。世にゲリマンダーという言葉がございます。自分の党に有利になるように選挙区の境界線を不自然にねじ曲げ、切り刻むこと、それをゲリマンダーというふうに言ったわけですけれども、自分や自分の所属する政党に有利な選挙制度をつくりたいというのは、私たち政治家のさがかもしれません。しかし、私たち倫選特の委員は、こうしたゲリマンダーの過ちに陥ってはならないと考えております。いかに国民の意思を正確に政治に反映させていくのか、その一点のみを公正かつ無私の精神で考え、選挙制度を考えていかなければなりません。そのことを最後に訴えて、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。